二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 未来を知る少女  ( No.449 )
日時: 2010/12/29 23:29
名前: カエル ◆tr.t4dJfuU (ID: AQILp0xC)

更新!
第40話

「パスを出させる?」
どうやったらそんなことができる。
「はい。私は自分の好きなところ……とまではいきませんが、少なくとも仲間のいるところの近くにはパスを出させられます。」
淡々と月城が言う。
そんなことを淡々と言うのは信じられないが……
「どうやってだ。」
誰もがそう聞くであろう質問を投げかける。
「重要なのはフォーメーションです。」
……フォーメーション?
「ゲームメイクって、その状況の中で何というか……相手に取られないような、安全なフォーメーションを組み立てたりしませんか?」
安全……
確かにそうだな。
危ないことをするわけがない。
一か八かの策を使うのは本当に追い詰められた時くらいだ。
安全な策を使い、ボールをつなげる、FWがシュートを打ちやすいようにする。
そうするのが普通だろう。
「確かにそうだな、だがそれがどうかしたのか?」
「それなんですよ。それ。」
そう言う月城は一瞬で俺の目の前に移動していた。
そして俺の方を向いてじっと俺を見る。
驚いた、瞬間移動か……
「最善の策を指示するのは当たり前です。だから、それを逆手に取る。」
嬉しそうな口調。
逆手……!
もしかして……
「わざとパスを出させるためにフォーメーションに穴を……!」
「正解です!そう言うことですよ。」
月城が振り返りニコッと笑う。
作り笑い……ではなさそうだな。
分からなくなりつつあるがこれは本当に嬉しそうに笑っているように見える。
「もしFWの中に一人だけマークされていない人がいたら誰だってそこにパスを出すでしょう?だからそれを逆手に取る。」
月城がグッと右手を握る。

なるほど……
そう言うことか……!
確かにそうだ、もしあたりを見てFWの一人に、一人だけにマークが無かったら俺だってそこにパスを出す。
フォーメーションを変えればばれることもないし、場所さえ変えれば何処でだって使える。
「なるほど……!」
「分かっていただけました?」
嬉しそうに月城が俺の顔をのぞく。
「あぁ。分かった。」
そう言うと月城はニコッと笑い、
「良かった。」
と言った。
これは間違いなく、ホントの笑顔だった。