二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 未来を知る少女【オリ技募集中!】 ( No.470 )
- 日時: 2011/01/03 00:54
- 名前: カエル ◆tr.t4dJfuU (ID: AQILp0xC)
更新!
初の氷歌視点です!!!
第46話
あの早さ……
有人も何が起こったか分かってない見たいね。
まあ、あの早さを見て驚かない人はそうそういないでしょう。
このままじゃあきっと……
雷門は負ける。
あれから20分が経った。
雷門はボロボロになっている。
あれからイプシロンの速さについていけなく、防戦一方だった。
でも結局守り切れず、今は0対3。
あの雷門が……
瑠乃も真希も、みんなそう思っている見たい。
そんなこと瑠乃たちを見れば分かった。
信じられないって顔しているんだから……
「「はぁ……はぁ……」」
雷門の皆は息を切らしている。
立っているのがやっとなのが見て分かった。
でも本当にまずい。
このままじゃあ本当に負ける……
皆が傷ついている。
このままじゃ学校が壊される。
皆を守らなくちゃいけない。
私は守らなくちゃいけないの。
皆も何もかもを守らなきゃ……!
でも……今私に何ができる?
……今出来るとしたら?
「……雷門が……あの雷門が……」
沙良の声。
怖そうに震えながら言っている。
「沙良。大丈夫よ。きっと勝ってくれるわ。」
こうしか言えない。
私は今何も出来ない。
「そんなの分んないじゃん!もし負けたら……学校が……私たちの家が……」
真希が悲しそうにそう言う。
皆そう思っているよね。
唯一の家。
私たちがずっと過ごしてきた思い出の詰まった家。
それが壊されてしまう。
何よりこのままじゃ雷門の皆が怪我をしてしまう。
この中にそんなところを見たいと思う人はいない。
……誰も傷ついてほしくない。
私だってそう思ってる。
私は……
「……氷歌。」
「……御神?何?」
御神が私を呼ぶなんて珍しい。
いくら御神でも普通じゃいられないでしょうね。
「お前しかいないんじゃないか?雷門を助けられるのは。」
雷門を助ける?
「……無理よ。だって今ゲームメイクなんかしたって意味ないわ。」
「そうじゃない。おまえが……」
「御神?」
「本気でやったら勝てるだろう?」
本気?
そうだ。私は……
あの日からサッカーをやめた。
本気でサッカーをしなくなった。
ゲームメイクしかしなくなった。
「無理よ。どれだけプレーしてないと思ってるの?」
あの日。5年前。
私はあれからサッカーをしなくなった。
ずっとずっとサッカーから離れていた。
なのに……
「おまえなら出来る。」
「……騎士……」
騎士までどうして?
何で私を信じるの?
「「うわぁ!!!」」
ピッチから大きな音が聞こえる。
大きな声が聞こえる。
守らなくちゃいけない。
そうだ……守るんだ。
私が何もかも。
守ってきた。ずっとずっと。
何もかもを守ってきた。
「氷歌ちゃんは強いから、守りなさいね。そうすれば皆分かってくれる、氷歌ちゃんが優しいってこと。」
昔、小さいころ、そう言われた。
だから守ってきたんだ。
自分が優しいのかは分からないけれど、でも守りなさいって言われたから。
大切な人にそう言われたからそうしてきた。
それから守るのが当たり前になった。
それで辛い思いをした時もあった。
でも守ってきた。
今、守らなくてどうするの。
「氷歌ちゃん。」
沙良が服を引っ張る。
悲しそうな、今にも泣いてしまいそうな顔。
「沙良。大丈夫。私が守るから。皆を守るから。」
守んなきゃ。
傷つかないように。
誰も悲しまないように。