二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナズマイレブン 未来を知る少女【オリ技募集中!】 ( No.471 )
- 日時: 2011/01/03 01:38
- 名前: カエル ◆tr.t4dJfuU (ID: AQILp0xC)
また更新!
氷歌視点です!
第47話
「瞳子監督。」
「……何かしら月城さん。」
相変わらずの淡々とした声。
「私を入れてください。」
急にこんなこと言ったら驚くでしょうね。
「……どう言うことかしら。」
ほら。こんな質問が返ってきた。
当たり前だよね。
「そのままです。私を試合に出してくださいということです。」
「駄目よ。今必要なのはゲームメイクじゃないわ。」
即答。
当たり前だよね。これも。
「分かっています。私ができるのはゲームメイクだけじゃないですよ。」
ずっとしてないけど。普通にプレーだってできますよ。
「……無理よ……」
「氷歌に任せてください!」
この声は……
「……瑠乃?」
瑠乃が敬語を使うなんて珍しい。
「お願いします!」
瑠乃がこんなことを言うなんて信じられない。
皆必死なのよね。
皆守りたいんだ、大切な場所を、雷門を。
「氷歌、昔は本当に普通だったんです!」
「あの日からしなくなったけど……」
「でもうまかったし、なまってたりしないと思うし……」
「きっと強いから!」
皆が口々にそう言う。
ちょっと嬉しい。皆がここを守ろうとしていることが、瑠乃や真希まで敬語使ってまで守ろうとしていることが。
「「お願いします!」」
「……やれるの?月城さん。」
瞳子監督が淡々と言う。
「はい。」
「……音無さん。月城さんにユニフォームを。」
こっちを向いたまま監督がそう言った。
「え、は、はい!」
そう言って音無さんがバックをあさり始めた。
「ありがとうございます。」
ユニフォームを受け取ってそう言う。
すると音無さんが
「頑張ってください。」
と小さな声で言った。
ニコッと笑い返す。
これは作り笑いなのだろうか。
私には分からない。
きっと有人が目の前にいたら言ってくれるんだろうな。
そんなこと考えてる場合じゃないな。
ユニフォームをテレポートして着替える。
そうしたら一瞬で終わる。
あとは……髪ね。
「誰かゴム貸して。」
そう言うと沙良がポケットから青いゴムを出して手渡してくれた。
そのゴムを右手にはめ、髪を持ちあげる。
そして高いところで髪を結う。
ポニーテールというやつだ。
これなら髪が邪魔にならない。
昔からこうしていた。
「なんか……懐かしいな……」
そう思っているとボールがラインを割り、ピッチを出た。
それを見た監督が大きな声で
「選手交代!MF、立向居に代わって月城!」
そう大きな声で言った。
さあ、久しぶりだ。
本当にサッカーをするという気持ちでピッチに入るのは。
守る。
そう思いながらピッチに足を一歩踏み入れた。
雷門イレブンは本当にボロボロだ。
でも何とか失点を防いでいる。
0対3なのがすごいほどのボロボロ。
私が入ったのが余程驚いたらしく、「え?何で月城?」という顔をみんなしている。
当たり前。
ゲームメイクしかできない奴が今入ったって意味がないと思っているんでしょう。
「……氷歌……どうして……」
有人がフラフラ立ち上がりながら言う。
「無理しない方がいいんじゃない?」
淡々とそう言ってやる。
「それよりどうしてピッチに?」
「……守るため。」
ただそれだけだよ。
「守る?」
不思議そうに聞き返された。
「そう。守るため。」
どう言うことだ?意味が分からない。
そう言いたいんでしょうけど今そんな暇はない。
「始まるよ。」
淡々とそう言う。
すると有人はデザームたちの方を見た。
私もそうする。
デザームは私を見ている。
気になるでしょうね。
でも、あなたたちに私を止めることはできないよ。
あの頃のままなら。だけどね。
なまってないでよ?5年ぶりだからってさ。
ピーーーッ!!
試合再開のホイッスルが鳴った。