二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- ポケモン二次創作 【金ノ瞳、銀ノ翼】 ( No.70 )
- 日時: 2010/09/18 23:32
- 名前: 豆電球 ◆Y6CWE4r6bA (ID: sp0cIx.0)
第二十八章 〜小さな想い〜
ワカバタウン
リオン「チコ!マジカルリーフ!」
ヒスイ「もっとしっかり的を狙って!」
サトル「オーダイル、波乗り!」
ギンガ「バクフーン、かわしてきあいだま!」
四人の特訓は、三日前の事件からずっと続いていた。「自分達は、あの場に居たのに止められなかった」
「もっと強ければ、止められたかもしれない」、思いが四人を突き動かす。
「次こそは必ず止める」この思いが。
ヒスイ「よし!少し休憩しよう。」
リオン「はーい、チコ〜少し休もうね〜」
チコ「メガ!」
サトル「オーダイル、お前どんどん強くなってるなぁ。お前の力を引き出しきれてるのか?俺は。」
ヒスイ「大丈夫だ、サトルは強くなってきている。」
ギンガ「ああ。出会った頃とは比べ物にならないくらいな。」
サトル「喧嘩売ってんのか。」
リオン「三人共!お母さんがお昼作ってくれたよ!行こー!」
サトル「はーい!」
ヒスイ「幸せそうだな、サトル君。」
ギンガ「そうですね・・・」
リオン母「四人共、しっかり食べてね!沢山あるから!」
ヒスイ「リオンちゃんのお母さん、パワフルだね。しかも、リオンちゃんそっくり。」
ギンガ「実にそう思います。本当そっくりだ。二十年後のリオンを見てるみたいだよ。」
サトル「二十年後・・・」
リオン「お母さん、おかわり!」
リオン母「沢山おかわりするのよー!」
サトル「俺も!」
ギンガ「あっこら!俺も!」
ヒスイ「じゃあ、俺も下さい。」
リオン「花びらの舞!」
ヒスイ「うーん、もう少し的に向かって放てたらいいんだが・・・」
サトル「行っけぇ!アクアテール!」
ギンガ「うわ!バクフーン!」
リオン「サトルすごいじゃん!ギンガ君に勝った!」
ヒスイ「この三日で急成長じゃないか。」
ギンガ「あー!もう一回だ!今度は負けねえ!」
サトル「ああ、今度も倒してやるよ!」
さて、特訓といえば成果が出ればいいが、出なければ焦ってしまうのが人間の性である。
この中で一人、焦る者がいた。
ヒスイ「もう一回だ!」
リオン「チコ!花びらの舞!」
ヒスイ「おしいんだ。何か迷いがあるのか?迷いがあれば、ポケモンにも無意識の内に伝わってしまう。」
リオン「そんなことは・・・」
ヒスイ「何かあるのなら、どうすれば解決できるかを考えろ。まずはそこからだ。」
リオン「迷い・・・?」
【私は、あんな考えをする人が許せない。私はポケモン達と、仲良く暮らせる未来を創る】
リオン「心は固まっているはずなのに・・・」
サトル「どうした?迷いがあるってヒスイさんが言ってたけど。」
リオン「うわ!急に話しかけないでよ!驚いちゃったじゃない。」
ギンガ「さっきからずっと話しかけてたんだが。」
サトル「そんなに俺って影薄い?ショック・・・」
リオン「ごめん。そういう意味じゃなくて・・・」
ヒスイ「混乱しているな。リオンちゃん、今日は休みな。自分の部屋でよく考えるんだ。」
リオン「でも・・・」
サトル「リオン、ヒスイさんの言う事聴いたほうが言い。」
リオン「っ!サトルは黙ってて!」
《リオンはアッパーカットを放った!サトルは戦闘不能になった!》
ギンガ「サトルー!死ぬなー!」
リオン「もう知らない!」
ヒスイ&ギンガ「リオン!」
サトル「・・・」
リオンの部屋
リオン「私の迷いって何?こっちが聞きたいわよっ!」
はやて「くぅん?」
リオン「はやて、私何を迷ってるのかな?わかんないよ。」
はやて「・・・」
リオン「え?何?モンスターボール?」
ふと思い出す。彼の事、出会った日の事。今では想像もつかない程、冷たい目をしていた彼を。
リオン「もしかして・・・」
出会った頃は敵だった。しかし今は・・・
リオン「大切な友達。」
そこで、ウツギ博士との約束を思い出す。
《ルギアを助けるまでは、三人で行動する事を許可する》
リオン「ルギアは助け出したけど、まだ組織を潰してないから、博士は許してくれてるわ。」
しかし、組織を完全に制圧したら?きっと彼は約束通り、自らの罪を償う為に自分達の元から離れていくだろう。
リオン「・・・もしかして、これ?」
はやてがいつの間にか、自分に寄り添って眠っている。不安な心が溶かされていく気がした。
リオン「スイクン達を、私とはやてが助けたって意味、少し分かった気がする。」
この暖かい大きな鬣に、顔をうずめれば心まで温かくなる。
リオン「もう少しだけ、このままで・・・」
サトル「寝ているな。ぐっすりと。」
ヒスイ「答えを見つけたみたいだね。この笑顔を見ると。」
ギンガ「しっかし、気持ちよさそうだな。少し羨ましいぞ。」
ヒスイ「どっちが?」
ギンガ「!?もちろんリオンがですよ!」
サトル「へえ、俺はてっきり・・・」
ギンガ「そういうお前もじゃねぇか?」
サトル「俺はそんな事考えてない!」
ヒスイ「しっ!リオンちゃん起きちゃう!そっとしておこうな。」
サトル&ギンガ「・・・はい。」
むさ苦しい男達が出て行った後、満足そうな笑みを浮かべ、リオンは寝返りを打った。
次回へ続く
今回は、スランプってるリオンを書いてみました。かなり楽しかったです。
いつも、彼女が三人を引っ張ってる感じだったので、たまには弱いリオンも書きたくなりました。
でも、やっぱリオン。強い子なのには変わりなかったか・・・