二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

ポケモン二次創作 【金ノ瞳、銀ノ翼】 ( No.82 )
日時: 2010/09/23 22:34
名前: 豆電球 ◆Y6CWE4r6bA (ID: sp0cIx.0)

第三十章 〜白金、白銀の光 後半戦〜

???
リオン「ホウオウ、私はどうしたらいいの?貴方を救う為にここまで来たのに・・・」
ホウオウを思えば、仕方ないがアポロの言う通りにするしかない。だが、言いなりになればこの地方だけでなく、世界が奴の手に渡ってしまう。
リオン「・・・誰か助けて・・・」
その時。
「ショルゥゥアァァァ!!!」
リオン「!?」
持っているある物から、何処かで聞いたことがある不思議な和音。
リオン「海鳴りの鈴!?ど、どうして?」
渦巻き島の洞窟から聞こえてきたあの和音。
リオン「もしかして!ル、ルギア!?」

ルギア「!リオンか?私が分かるのか!?」
ギンガ「リオン!俺達と話すことは出来ますか?」
ルギア「それは無理だ。リオンは今、私と意識を混合させている。だから、私の声しか聞こえない。」
ギンガ「それでもいい!リオンの居場所は分かりますか?」
ルギア「ああ。今・・・」
リオン『ルギア!私は今・・・』
《アルフ遺跡上空!》

リオン『・・・あれ?・・・ね、眠い・・・』
ルギア「リオン!?しっかりするんだ!」
ギンガ「どうしたんですか?」
ルギア「リオンが、眠りについてしまった。やはり、彼女は私とはあまり長い間、意思疎通は不可能だったか・・・」
ギンガ「早く、アルフの遺跡に行こう!」

アポロ「おや、眠ってしまわれたのですか?貴方にはこれから、大事な仕事があるというのに・・・」
下っ端「まもなく、アルフの遺跡に下降致します!」
アポロ「分かりました。すぐに向かいます。さあ、貴方の力を本来の方法で使わせていただきますよ。」
リオン「・・・」

アルフの遺跡
ランス「最終確認完了!いつでも可能です!」
アポロ「では始めましょう。」
リオン「・・・」
アポロ「おや、お目覚めですか?丁度良かった。今から早速、協力していただきますよ。」
リオン「・・・?」
アポロ「ふふ、簡単ですよ。ホウオウと鈴を通して、意思疎通をして頂きます。少し疲れるかもしれませんが。そして、ホウオウに言うのです。『我々に従え』と。」
リオン「・・・や」
アポロ「え?」
リオン「・・・いや、いや、いやぁぁ!!」
無意識のうちに叫ぶ。誰かに操られるかのように。
リオンの叫びと、リオンの持つ『透明な鈴』が共鳴する。
しかしそれは美しい和音ではなく、まるでポケモンが怒り、雄たけびを上げる瞬間のような音だった。
アポロ「っ!?何が起こったのです?」
リオン「いやいやいや!!!」
ランス「ホウオウの収まっているモンスターボールに、凄まじい力が掛かっています!このままでは、ボールが破壊されます!!」
アポロ「何ですって!」
リオン「いやあぁぁぁ!!!!」
「シャアァァァ!!!!」

ルギア「むっ!この感じは・・・」
ギンガ「怒りの心。ホウオウか?」
ルギア「いや、これは・・・もしかして、リオンとホウオウが無意識のうちに・・・」

パキャン!
ついに、ホウオウが入っていたモンスターボールが破壊され、ホウオウが飛び出した。
その衝撃で、リオン以外の全てのものが吹き飛ばされる。
神々しく、恐ろしいまでの美しさを持つ、ホウオウの目の前に立ち尽くす、一人の少女。
リオン「・・・ホウオウ?」
ホウオウ「リオ!何故、お前が今ここに居るのだ?」
リオン「リオ?私はリオンよ?」
ホウオウ「・・・そうだな。リオは、ずっと昔に居たのだったな・・・」
リオン「リオってまさか・・・」
ホウオウ「ああ。昔、私と意志を共にした者だ。お前はとてもよく似ている。まるで、リオと再び話をしているようだ・・・」
リオン「一つ聴きたいの。リオという人は、貴方をどうやって悪から守り通したの?」
ホウオウ「リオは・・・いや、二人は私達と運命を共にした。」
リオン「?それはどういう事?」
ホウオウ「実は、リオも、ルギアとの疎通者のギンも死んでは居ない。私達の中にいる。」
リオン「それってつまり・・・」
リオンは、自分の中に浮かんできた考えを恐る恐る口にする。
リオン「意思疎通をすることによって、貴方達に取り込まれる・・・?取り込まれる事により、人間の全てを理解させ、貴方達は次に悪の人間が何をするかが分かった。だから昔のあの瞬間・・・逃げ切ることに成功したという事?」
ホウオウ「その通り。彼らには悪い事をした。あの者達自身が望んだとはいえ、あれから何百年もずっと私達と共に、生かざるをえなくなったのだから。」
リオン「じゃあ、私もその運命にあるという事なの?」
ホウオウ「分からない。悪の力が、強大であればあるほど逃げ切ることが困難になる。」
リオン「お母さんの言葉・・・『絶対に無事で、帰って来る事』・・・出来ないかもしれないわね。」
ホウオウ「恐ろしいという気持ちは無いのか?私に取り込まれれば、二度と元に戻る事は出来ない。」
リオン「正直、とても怖いわ。でも、悪の力が弱ければ取り込まれることは無いのよね?あくまでも、『意思疎通』のみで済むのよね?」
ホウオウ「戦うというのか?ふふ、いいだろう。私も戦おう。お前に協力しよう。」

ルギア「・・・アイツ・・・なんでこんな時に、それをカミングアウトしちゃうかなぁ・・・」
ギンガ「何か話しているのが分かるんですか?」
ルギア「彼女はホウオウから聞いた。お前は私から聞くのが筋だろう。いいか、落ち着いて聞くのだぞ。」
ルギアも、ホウオウと同じ話をする。昔は《疎通者》という二人の人間がいたという事。
その二人は、自分達を逃がす為に自らを捧げた事。しかし二人は死んではおらず、今も自分達の中で生き続けているという事・・・
ギンガ「・・・嘘だろ・・・」
ルギア「初めて出会った時、確信した。君達は彼らの生まれ変わりだろうと。」
サトル「?何か話してるのか?」
こんなにも緊急事態にもかかわらず、のほほん顔のサトル。
ギンガ「いますっごい緊急事態なのに・・・お前見てると本当、どうでもよくなってきた・・・」
サトル「喧嘩売ってんのか?」
ヒスイ「ううん、彼なりの『ありがとう』だよ。」
サトル「・・・」
ギンガ「もうすぐ、アルフの遺跡だ。リオンがどんな目に遭っているのかは分からない。サトル、何があっても守り抜け。」
サトル「・・・当たり前だ。任せとけ。」
ギンガ「ならいい。行くぞ。」
サトル「・・・?」

透明の鈴と海鳴りの鈴の、『協和音』が響く・・・悪の『不協和音』は消えうせるのであろうか?
金と銀の『協和音』は世界に響くのか・・・


次回へ続く


終わらなかった・・・三回で終わらなかった・・・というわけで、次回は三十一章ですが続編となります。