二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: [銀魂] No thank you!! [男主トリップ] ( No.8 )
- 日時: 2010/08/12 00:08
- 名前: 廻 ◆E2FCewEIt. (ID: mXej9PvR)
第一訓:やっぱ人間は電車に敵わないよね。うん、知ってたけどさ。
「祇月ー!! 俺ん家でモン○ンやんね?」
「あーやるやる。ちょっと本屋寄ってからお前ん家行くわ」
ごく普通の会話。
どこの学校でも見られる放課後の風景。
俺、真柴 祇月(マシバ シヅキ)はその風景の中にいた。
高校二年の夏。
特にこれと言った問題もなく一年の半分以上を過ごした。
友人もいたし、何より毎日楽しかった。
何の不満も、ないとは言い切れないが
幸せではあった。
「今日はジャンプの発売日ー。銀魂はどうなったかなー」
鼻歌交じりで本屋を覗いた。
「お、あったあった」
ちょうど入り口近くに置いてある愛しのジャンプ。
俺はそれを手に取り購入した。
気分最高で線路道を友人宅に向かって歩く。
その時ふと視界に入った白い塊。
線路でうごめく白いそれは、まだ幼い子猫だった。
「え、マジかよ」
俺は鞄をその場に投げ出し線路へ向かう。
そして白い子猫の小さな体を持ち上げた。
「にゃんこ、駄目だろこんな所で遊んじゃ……」
その時耳に入ったのは迫る電車と線路の擦れる音。
俺は猫を咄嗟に線路脇へ投げた。
そして言葉を発する暇もなく、意識は途切れた。
うん。
人間が電車に敵うわけないってのは分かってるよ。
でも、
あんな小さな子猫を見て、助けないでいられるか?
否、俺は無理だった。
まぁ、その結果がこれなわけだが……。
死んだよな、俺。
でも普通死んだら意識、なくなるよな?
もしかして俺、
奇跡の生還とかしちゃうの?
そんなことを考えながら重い瞼を開いた。
そして視界いっぱいに移りこんだ世界に、
目を丸くした。
「どこだよ。ここ……」
死んだと思ってみれば、
開かれた瞳に映ったのは、
あの有名人気少年雑誌でよく目にした……
銀魂の世界だった。
死んだはずの自分が
気付いてみれば、銀魂の世界に。
そんな話が成立するのは二次元だけだ。
現実にあるわけがない。
だけど、
つねった頬は痛くて、
これが夢じゃないと自己主張していた。
「マジ、かよ……」
(世界は厳しくも優しくも——)
それ二回目。もういいから。
優しくないから、この世界はどう見ても俺に。