二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: [銀魂] No thank you!! [男主トリップ] ( No.33 )
日時: 2010/08/21 09:44
名前: 廻 ◆WzjlKevOGE (ID: tuG0e6yh)

第八訓:人間キレると人格って変わるもんなのかな? え、俺だけ? いやいやいると思うよ、いっぱい。

俺、元の世界に戻るまでに死んだらどうしよう。
てか、どうなるのかな。

俺は一つ溜息を落とした。
「ハム子さーん。ちょっと後ろにいてくださーい。ここは万事屋銀さんと真選組隊士が何とかしますんでー」
俺は床に座り込んだハム子を立ち上がらせ、自分と銀さんの背後に押す。
「ちょっ、祇月君!! その怪我……」

公子に向けて放たれた銃弾。
その様子を見てた俺は思わず彼女を庇ってしまった。
だって、一応真選組隊士だし?
市民を守るの仕事だしね。
俺って案外仕事人間なのかもしれない。
なんて考えながら、痛みの走る脇腹に手を当てた。

「銀さんー。俺、銃で撃たれたの初めてだ。わー初体験?」

「祇月君のテンションが変!! 大丈夫か!?」

確かに今の俺のテンションは異常な気がする。
痛いし、苛立つし、痛いし、トイレ臭いし、人多いし。
「陀絡さん!! 真選組と名乗る子供と銀髪の木刀を持った奴が混じりこんだみてぇです!! どうしますか」
一人の天人がそう奥の人物に話しかける。
「真選組がもう嗅ぎつけてたか。さすが幕府の犬、鼻が良いことだ」
「あー違いますよ。今は真選組隊士、兼の万事屋アルバイトですから」
機嫌の悪い俺は止まらない。
確か誰かそんなこと言ってたな。
その通り。
俺はもう疲れました、腹も痛いです。
「銀さん、早く帰って甘味、奢ってな」
俺は腰元の鞘から刀を抜き、構えた。
「甘味ィィィイィ!!」
そのまま天人の大群に斬りかかり、目指すは陀絡。
銀さんも背後から俺の援助をしてくれている。
確か原作では銀さんが新八と神楽ちゃんが連れて行かれるところを見て、油断し
窓から落とされてしまう。
でも、ここには原作ではいない俺がいて、
もしかしたら何か変わるんじゃないか、なんて思ったけど
それが甘かった。
トイレ内の天人は全て片付けた、が
問題はやはり外の軍勢だった。
無理、無理無理無理。
俺、腹痛いし、神楽ちゃん達も連れて行かれそうになるし。
そして

「お前、目障りだよ」

やはり、原作は変えられなかった。
銀さんと公子は窓から突き落とされ、俺はその手を掴むことも出来なくて。
二人が下へ落ちていく様子をただ目の前にしていた。
「っ銀さん!! ハム子!!」
でも、
二人共死なないのは原作を読んだ俺が知っている。
問題なのは、俺か。
窓に背を向け前を見つめれば、
数え切れないほどの天人達、そして俺の目の前に立つ陀絡。

「お前、真選組なんだってなァ」
勝ち誇ったような顔で俺を見下す。
そんな余裕見せちゃ駄目じゃねぇか。
イラッとしちまう。
「そうですよー。新人隊士でーす」
俺は瞬時に背後へまわり刀を振るうが
「傷、痛そうだな」
さっきの傷はある右脇腹を殴られ、刀は地面に虚しく落ちる。

「あの銀髪とブタ女の所へ送ってやるよ」

窓から落ちる自分。
わー浮遊感すげぇな。
気持ち悪いぃぃ。

あ、下に銀さん達いるよね?
俺、落ちちゃっていいのかな?
って、もう遅いか。

そのまま俺の意識はプツリと途切れた。





(逃げることは時には大事)
その言葉、もっと早く言って欲しかった。
俺がキレる前に言って欲しかったよ。