二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 化け狐 (絵師さんぼs(( ( No.100 )
- 日時: 2010/09/13 12:30
- 名前: 悪夢食 ◆lWYtn5MZ2k (ID: FQaXdAFn)
- 参照: 俺の辞書には「反省」という言葉はナイツ!(古
第十話
【別に、深い意味は無いんだけどな?】
「ん……ッ」
俺がむっくりと起き上がると、腹に激痛が走る。
ゆっくり起き上がっても意味なし。
仕方がないので横になってここはどこかと目を動かしてみる。
「……屯所?」
ここは、屯所の俺の部屋のようだった。
ならば安心。次に、昨日のことだ。たしか、おれは兄さんに斬られて……。
なぜだろう、ここから思い出せない。
おれが頭に手を当て、うめいていると、障子があいて、朝のやんわりとした光が目を掠めた。
「赤岸!よかった、目が覚めたか!」
……傷口をえぐるようなこの声の大きさ。
新八か。
何故か分からないけど、こいつの「ふれんどりー」な所は心を落ち着かせた。
「おう、ありがとう」
新八のほうを向いて軽くお礼をいうと、このままでは何だから、少し起き上がってみる。
……痛いけど。
すると新八は背中を支えてくれた。
「で?屋根の上で何があった?」
唐突、ですな。
まぁいいか、と俺は昨晩のことを話した。
もちろん、俺が偽名だったとか、そういうことは言ってない。
……だって、本気で斬られそうなんだもん。沖田辺りに。
一通り話し終わると、新八はう〜んと首をかしげて、問いかけてきた。
新八って以外にも政治が得意って聞いたことがあるから、その手の質問じゃなきゃいいんだけど。
「あのよ、灸。ぶしつけなんだけどよ、何故俺らを呼ばなかった?」
……。
以外だ。きっとこんなことを質問するってことは、俺のことを心配してたから、しかろうとしているんだろう。
別に俺は間違ったことはしてないし、なんつーか、むしろ正しいことをした気がするんだが。
「別に、深い意味は無いんだけどな?
兄さんと互角ぐらいに戦えるのって、俺だけだからさ。
どうせ新八とか来ても、斬られておしまいになってたと思うぜ?」
特別しゃくに障るように言ってやった。
のに。
「あのなぁ…」
そんな反応は予想外だった。
ふぅ、とため息をつくと、じっと俺のほうに視線を送ってきやがった。
もっとこう……。んだとごらぁっ!みたいな反応するんだと思ってた。
新八のことだから。
「俺たち幹部をなめたらいけねぇよ?なんたってなぁ……」
新八が言いかけたときだ。
閉まっていた障子が音を立ててあいた。
俺も新八も驚いてそちらへ向く。
そこにいたのは、決して慌てないはずの。
「山崎君?」