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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 化け狐 ( No.2 )
- 日時: 2010/08/12 21:00
- 名前: 悪夢食 ◆VuRwr/DrPo (ID: PQvy21Xz)
- 参照: 修正しました。二つ→三つ
序章
第一話
「ぐあがぁっ、あがぁぁ……っ!」
夜の裏通り。一人の少し甲高い呻き声が聞こえる。
案の定裏通りの真ん中に、苦しそうに膝をついて胸を押さえている男がいた。
「くっそ、ぉ。ま、たか……よぉ!!」
畜生、と叫びながら苦しそうに懐に手を突っ込む。
そして震える手で小さな薬袋を取り出して、その中にある小さな茶色い丸薬を取り出し、口の中に放り込んだ。
たちまち男の手がだらん、と垂れて荒い息を正す。
「うぇぇ……やっぱし不味ぅ……」
そう男は吐き捨て、丸薬の数を数える。
すると男はそれを見て、口元を緩ませる。——あと三つ。
「うわぁっ、やっべぇ」
あとでまた作らなきゃ、と材料の草のことなどぶつぶついいながら立ち上がる。
そうしてその場から立ち去ろうと足を前に出す。
しかし、一歩めで足を止め、独り言もやめて後ろを振り向く。
「うん?」
後ろの角から叫び声が聞こえる。
本当は前の方角に行きたいが、女が襲われていたら、と考え、頭をかく。
「しっかたないなぁ……」
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