二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼  化け狐 ( No.47 )
日時: 2010/08/19 19:30
名前: 悪夢食 ◆VuRwr/DrPo (ID: FQaXdAFn)
参照: 憂鬱だ。何もかもが滅んでしまえと思う中一の今日。中二病かな?

第四話
   【……別に強制はしてないよ】

長い、そこにいたくなくなるような沈黙。
かっこよく決めたと思ったんだけどな。

「……嫌だといったら?」

重々しい空気の中、近藤が口を開く。
……やっぱり。

「……別に強制はしてないよ。でも、皆も見たように俺は大体逃げ出すような技は心得ている。
俺が逃げ出したあと、その皆が隠したい白髪のことを言いふらしてあげてもいいんだけど?」


         *

その後俺と千鶴ちゃんは斬られることもなかった。
千鶴ちゃんは新選組に置いてもらえるらしいし、俺は新選組の【十一番組組長】になんか推薦されたし。(斎藤が推薦したらしいけど)
世の中いいことだらけだね!!
でも俺にはひとつ困ることがある。それは、発作。
とてつもなく痛いし、苦しいけど、茶色の丸い丸薬、【小塁薬】を飲めば楽になってその場だけは乗り切れるけど、もうそれもないし……。
小塁薬を作るには何十種類という薬草が必要。
作り方は心得ているんだけど、今まで全部の薬草の買い置きがあったから良かったんだけど、それも切れちゃってるし、どこに生えてんのかサッパリだし、この刀買っちゃったからお金もないしな。
ということで今は医学関係のお仕事をしている父がいるという千鶴ちゃんをさがしているんだが。

「う〜ん……?」

右肩に水の入った桶をかついでいるために耳元でちゃぷちゃぷと音が鳴る。
どうしようか……、巡察いかなきゃ。そうおもって引き返そうとすると、井戸の辺りに桃色の男性用の着物をきている千鶴ちゃんがいた。
いつ見ても似合ってないな。

「千鶴ちゃん!」

桶を廊下におくと、草履をはいて千鶴ちゃんの元へ向かう。
千鶴ちゃんは顔を上げ、俺のほうへ顔を向ける。
……洗濯しているみたいだった。

「何でしょう?」

俺は懐から藁半紙に色々書いてある紙を取り出し、千鶴ちゃんに渡した。
そして、千鶴ちゃんはそれを受け取ると首をかしげた。

「その薬草を見つけてくれないかな……?」

すると千鶴ちゃんは困ったような、うれしそうなような顔をした。

「私に、ですか?でも私外に出られませんし。山崎さんとかに頼んでみては?」

【山崎 ススム】かぁ。(ごめん漢字出なかった)
たしかにすぐにとってきてくれそうだけど……。
でも、この子に外に出るキッカケを作ってやりたいし……。

「うーん、頼んでみたけど、山崎君忙しいみたいでさ……。
外に出る件は何とかするよ。だから、ね?お願いっ」

両手をあわせて拝むように軽く礼をした。
千鶴ちゃんは仕事が出来たのでうれしそうな顔を再度するが、うーんと悩む顔も同時にした。

「……だめ……かな?」

本気で落ち込む俺。涙もろいしなぁ……。男らしくない……。
自然と千鶴ちゃんに子犬のような目を向けてしまった。
やばい、キモかったかも。

「いっ、いいえっ!ぜんっぜん、全然大丈夫ですっ!!」

あわてて両手を振ってみせる千鶴ちゃん。可愛いと思う。
気を使わせてしまったかな?と思いつつ手を上げて喜ぶ。

「じゃっ、土方に頼んでくる!」

そういって俺は走って土方の部屋へ行った。

「あっ……、桶!桶忘れてますよっ!!」