二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼  化け狐 ( No.76 )
日時: 2010/08/25 13:11
名前: 悪夢食 ◆VuRwr/DrPo (ID: FQaXdAFn)
参照: ドラクエってさ、一人一回は死ぬよね?

第八話  泉鈴目線
   【化け狐】

(泉鈴のプロフがないのは仕様です。
ご了承ください)

「ッチ……」

今私がいるこの場所は新選組やらなんやらが入り組んでいる池田屋の屋根の上。
私はその剣の交じり合う様などを見物しているわけだ。
……しかし、今私が気になっているのはそこじゃなく、鈴のほうだ。

今、3人相手に石の塊を投げたのが、鈴。
【赤飯 九鈴】。今は偽名を名乗っているらしい。

「……フッ」

鈴はまだ力のコントロールが出来ていないのか。
笑わせる。仲間に当てそうになったら『力』を使えば良いのにな。
……私のように。

「ふむ」

今、鈴が3人を足やらでなぎ払い、私のいる屋根の上に上がってきた。
……おそらく、ここで忌まわしい薬を飲み、狐の衝動を抑えるのだろう。
させぬぞ。

『なっ……』

私は刀を抜き、鈴が出そうとしていた薬袋と薬を粉々にしてやった。
もちろん床に落ち、集めることも不可能。
そして私の存在を知らせるため、刀をまた振ってみせる。
私の刀は鈴の頬をかすめ、紅い血をたらさせた。
それでさすがに私のことに気づいたようで、鈴は次の刀は避けた。
なるほど、成長したものだ。

「……チ、やるようになったものだな、鈴」

少しほめてやると、鈴は黄色い眼を少し閉じ、私のことをにらみ、武器を取っていった。

『……兄さんか?』

まあ、そうだろうな。
私を追ってここにいるのだから。

静かな風が私のほほをなでた。
そして私を避けるように消える。

「……そう、だが?」

鈴は驚きもせず、自分のクナイを構えている。
そして、私に殺意を向けた。
その体の汗の量からすると、結構進んでいるな。

そしてしばらくもしないうちに鈴は悲鳴を上げ始めた。

『グガッ……』

早くも私たちの仲間入りか?
この世界まで来た意味がなかったな。
そして私は静かに口元をゆがませた。
私の、人間は一人の種族の者がすべてのものを支配する、そんな世界への野望が近づくわけだ。
そんなことを思うと、少しぐらい笑ってもいいだろう。

『我が十尾。お主に力を貸そう』

ずっと前に、私が幼かった頃に聞いた言葉。
力があふれ、死への恐怖も感じなくなった瞬間の、【化け狐 十尾】の言葉。
化け狐は通称狐と呼ばれる。

十尾は化け狐の集合体の力。
つまり化け狐の最強のものということだ。
しかしその力はチリジリになっていて、その十尾の力は他の化け狐に宿り、その化け狐は1〜9の数字で呼ばれる。
たとえば1番弱い力は【一尾】などだ。
十尾のすべての力を集め、私は十尾の力を借り世界の頂点へいく。十尾にもそれはプラスになる行為である。
そして今、あと2個のところだ。
その中の一つが目の前にいる鈴、いや【九尾】なのだ。

「フッ、フハッ」

その力が目の前にあるのだ。
笑いがこみ上げてくる。うれしい、楽しい、そんな感情一つ一つの破片がこみ上げてくる。
そして、やっと鈴が、本性を現す。

『我が九尾ッ!!この者の背後につく友人!』

その姿は鈴ではなかった。
赤茶色の髪は白っぽくなり、黄色の獣じみた目は赤く染まり、最後に九本の尾が生えていた。
そして

__まさしく私の求めていた力だった。



〜〜あとがき〜〜

シスコンが。と思った俺。
この泉鈴ちゃん、本編すごくかっこいいんですが、のちのちシスコンということがわかってきます。
……。かっこいいのにな、かっこいいのにな。
最後に。

わかり辛くてすいませんでしたっ!