二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 江戸に舞い散る薔薇の花—銀魂 【第9訓】UP! ( No.151 )
- 日時: 2010/12/05 13:41
- 名前: リリ (ID: .3t6TJMo)
第十訓〜言うまでもないってよくあるけど結局言っちゃってるよね?〜
朱里たちの前に突然現れた子—名は無兎と言う。甘いものが大好物、仕事はきちんとこなすが、14歳にしてはかなり冷めている。そんな無兎がアリスを探していたということは、言うまでもないだろう。
「アリス、マヨ方がキレてる。今すぐ戻れ。」
「やだね♪」
アリスは無兎にむかってそういうやいなや、屋根に飛び上がり、
「朱里、まったね〜♪」
と言い残し、屋根をかけていった。
「まったく・・・・。」
「行っちゃったね。」
そう言う朱里を無兎は一瞥すると、
「お前はたしかこの前の・・・・・。」
と、言った。
「あ、うん。朱里っていうの。ヨロシク。」
「自分は無兎。なあ・・・・・、」
それ、くれないか?と、無兎は朱里の手もとのみずあめを物ほしそうに指さした。
その少し照れた顔がさっきのアリスの顔によく似ていて、
「はい。」
気づいたらそう言ってあめを差し出していた。
「あ、ありがとう・・・。」
水あめを受け取った無兎はそういってぱくりと口にあめをふくんだ。
「ッ!!!(何なんだよ、かぶき町にはこんなカワイイのしかいないの!?)」
「ふう、ごちそうさま・・・・・どうした?」
「え?」
いきなり話かけられて、朱里はびくりとなった。
「いや、さっきから自分の顔と腕を見てるから。」
「え、あ〜っと・・・・。(あんまりかわいいんで、なんて言えるか!)」
「これが気になるのか?」
無兎は自分の足と腕を指さした。
「い、いやちが・・・「遠慮しなくてもいい。」
無兎は興味ない、という表情で口を開いた。
「これは・・・・「何かを隠してる。でしょ?」
説明をしようとした無兎の声をさえぎり、いきなり真剣な顔になり、朱里は言った。
「!なぜそれを・・・!」
「だって、あたしもだから。」
朱里は小さな声で言った。
「あ、あたしもう帰らなくちゃ。ご飯の時間だし。」
朱里はそう言ってくるりと背を向けた。
「あ、あとさ、その下にあるのって・・・・・痣、とか?」
そう言い残すと朱里はウインクをして歩いて行った。
「(!・・・・朱里ももしかして・・・・・いや、そんなことがまさか・・。)」
夕暮れのかぶき町で、無兎は一人、ものおもいにふけるのであった。