二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: *.゜__今宵、舞う桜゜.+ 薄桜鬼 ( No.21 )
- 日時: 2010/08/18 22:56
- 名前: 白兎 ◆SaHSl/fBF. (ID: 7jEq.0Qb)
- 参照: 私はもう諦めない———消させない。
中庭に足を進めれば、人の気配がする。
案の定いた。
雪村に聞いて、正解だったな。
『————総司』
ピシャリと言い放ってみる。
目の前には憎らしき、張本人沖田総司。
一瞬肩を震わせたものの、すぐにいつもの笑顔。
「なぁに、瀬那ちゃん?」
・・・——イラッ
『なぁに、瀬那ちゃん・・・じゃねぇよ、馬鹿総司!!』
俺は総司の胸倉めがけて掴みかかった。
さすがに女だし、力じゃ負けるだろうけどとりあえず。
『————・・・私の饅頭食べたのあんたでしょ』
「・・・酷いなぁ、何の根拠も無いのに僕を疑うなんて」
『馬鹿、ちゃんと証拠も出てんの』
「・・・はぁ?」
・・・・・・言っておこう、この饅頭がただの饅頭であれば俺は怒鳴らない。
こんなに飛び掛りもしないのだ。
————ただの、饅頭ならば。
俺は総司の胸倉を掴んだまま、話を続ける。
総司は、図星なようで目を泳がせていた。
『・・・あの饅頭はね、俺が仕事頑張ってるからって近藤さんが京都の老舗まで行って買ってきてくれたんだよ!!
めちゃくちゃ美味ぇんだよ!!』
「あー、ゴメン。間違って食べちゃった」
・・・・・・嘘付け、明らかに意図的だっただろうが。
平s・・・おっと、Hは見たっつってんだからな。
俺の茶棚からわざわざだして食ってるの。
「だって、僕には無いでしょ」
『真面目に仕事しないてめぇが悪いんだよ』
————謝らないし。
俺は大体の検討はついてる。
総司は羨ましがってるのだ、この俺を。
みんな知ってると思うが、コイツは誰よりも近藤さん第一なわけで。
案の定、俺だけ饅頭を貰ったのが気に食わない。
————ただ、それだけ。
まぁ、謝ってもらえればそれでいいのだが。
・・・ちゃんと、買いなおしてきてもらって。
なんつっても、一向にそんな気配を見せない。
・・・・・・そんな俺の苛立ちは募るばかりだ。
さっきの叩き斬るっつーのも、案外いけるんじゃねぇの?
悪いな、総司。 俺も食べたかったんだよ。
———これでも、甘党男児だから!
俺は、苛立ちに身を任せたまま刀に手をかけた。