二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 僕が、もしも——。【REBORN】 ( No.18 )
日時: 2010/08/16 21:18
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

白蘭の部屋に戻れば、部屋がボロボロだった。
俺は無言でソファーに座る。

「やぁお帰り終夜君」
「・・・この有様は何だ」
「うーん、ちょっと戦闘しちゃってねぇ」
「骸、とか?」

俺がそういうと白蘭の表情から、作り笑顔が消えた。

「知ってたんだ?」
「まぁ、「 超直感 」は一応持ってるから」

俺はそういってボロボロの天井を見上げた。
白をメインにした隊服。
俺はその隊服を見ながら、フゥッと息を吐いた。

「ねぇ、終夜君」
「何・・・」

俺はそこで言葉を失う。
白蘭が直ぐ近くまで迫っていた。
俺は後ろに引いていく。

「ねぇ、十年後のキミは此処で——僕と、何をしていたと思う?」
「———判らない」
「嘘だよ。キミは「 嘘吐き 」なんだから」

俺は、壁にぶつかる。
白蘭が俺の横の壁に手を付いた。


「キミは此処で——沢田綱吉を殺害したんだ」



—ドクンッ


鼓動が、鳴った。

(苦しい)

「銃口を向けて、ね?」
「・・・ッ」

白蘭の手が、俺の顔を覆った。
怖くて、体が震えだす。

「ねぇ、キミは———」

指の隙間から見える白蘭の表情は———。


「僕と、綱吉君。どっちが大切?」


苦しげで、儚げだった。





苦しかった。
これ以上十年前の終夜を前にすることは出来なかった。


(これ以上、僕を苦しませるな)


彼女は、十年後のように——。
目には、輝きが無かった。
心を失う術は、彼女の心を侵す。
彼女の闇をいっせいに。
その跡、僕は彼女に闇を吹き込む。
十年後の君が——犯してきたことすべてを話した。
終夜君は僕の声だけを聞く人形になっていく。
心のどこかで、躊躇いがあった気がする。


(そんな物、無いはずなのに)


「終夜君、行こうか」

僕がニッコリ言うと終夜君は、

「ハイ」

只、それだけを無表情に無感情に無感傷に言った。




(気が付けば、)(頬に涙が伝っていた)