二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 僕が、もしも——。【REBORN】 ( No.23 )
- 日時: 2010/08/17 11:41
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
「終夜君、じゃあ行こうか♪」
「・・・」
終夜君は無言で僕の隣に居た。
指には黒く光るマーレリングがあった。
「びゃくら〜ん。その子が最終の真六弔華?」
ブルーベルが聞いた。
僕は頷いてみせる。
「そうだよ、彼女が最終にして最高の僕の守護者」
そして———絶対に裏切らない、僕の壊崎終夜。
「終夜君、僕の為に戦ってくれるよね」
「・・・」
無言で僕の目を見る彼女の意思はちゃんと伝わった。
僕は彼女の頭を撫でる。
「ソイツにも《アレ》が付けられているんですかぁ?」
「いや・・・彼女は普通の人間だよ」
「それでも・・・?」
「うん、連れて行く」
僕は彼女の腕を取り、抱きしめた。
腕の中で終夜君は大人しく虚空を見ていた。
「じゃあ、行こうか♪」
◆
白蘭様が出て行った後、私達と終夜と言う少女だけが残った。
終夜と言う少女は何も話さない。
——白蘭様という悪魔に魅せられた心は、闇深く根付かれている。
心を失ったように、虚空だけを見ている少女は、何も話さない状態だった。
するとブルーベルが彼女に近づいていった。
「ねぇねぇ、アンタ白蘭様とどういう関係なのよ〜」
彼女は無表情でブルーベルを見据えた。
その瞳には光は宿っていなかった。
魂は———宿っていなかった。
「・・・判らない」
「判らないってどういう事なのよ」
「・・・」
つまらなさそうにブルーベルは話しかける。
だけど帰ってくるのは、判らない、や違う、という単語だけだった。
(言葉は、白蘭様以外、話せない、いや、話す事が出来ない、という事ですか・・・)
私は、彼女から視線を外した。
◆
「ツナ、終夜と戦う覚悟は出来たか」
「・・・うん」
まだ、モヤモヤとした感覚が残っていた。
(本当に、終夜君は敵で——仲間じゃないのだろうか)
俺は、そんな曖昧な覚悟を抱いていた。
(願いは、二つ)(白と橙色がぶつかるまで、あと少し)