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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 僕が、もしも——。【REBORN】 ( No.3 )
- 日時: 2010/08/16 10:03
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
「転校生の壊崎君だ」
「壊崎終夜です、宜しく」
先程であった少年は、このクラスの転校生だったらしい。
壊崎君は、只、教卓の前に立って、凛々しい表情で虚空を見ていた。
「じゃあ席は——」
そんな担任の声よりも聞こえてくるのは、生徒の声。
(何かダメツナに似てねぇか?)
(でも、壊崎君のほうが凛々しいって感じだよね)
俺はそんな会話を耳にして、溜息を吐いた。
「じゃあ、席は沢田の隣だ」
そんな担任の声がして、靴の音がして。
俺は目の前を見上げた。
「隣だね。よろしく」
壊崎君は苦笑して、「よろしく」と呟いた。
◆
壊崎終夜が並盛中学に転校して来た。
ある生徒に憑依して、僕は彼を見ていた。
(壊崎終夜・・・久し振り、ですね)
僕は人知れずに少しだけ笑った。
オレンジ色の瞳は、只虚空を見ていた。
彼の目には、「 大空 」しか映っていない。
広く、只、美しく広がる大空。
(貴方の目には、僕は映っていない・・・)
少しだけ悲しげな表情をした。
そして、目眩が襲う。
(もう、長くは無いですね・・・)
強制的に憑依したも同然の行為だった。
牢獄に入れられている所為で、力も満足に震えない状況だったのにも関わらず。
(では・・・また)
——会える日を、願って。
僕は意識を闇に沈めた。
◆
「・・・」
俺は後ろを振り返った。
(気の所為、か・・・)
俺は、懐かしさの残る感情を持ちながら、廊下を歩き出した。
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