二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 僕が、もしも——。【REBORN】  〜Ⅰ世ファミリー編〜 ( No.32 )
日時: 2010/08/17 18:24
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

——ねぇ!———!

「・・・?」

目を覚ませば朝になっていた。
何故かとても懐かしい記憶を思い出していたような——?

「オイツナ。残る試練は霧とお前だけだ・・・オイ、ツナ聞いてるのか」
「・・・うん、」

俺は頷いて、起き上がる。

「なぁ、リボーン」
「何だ」
「この戦いが終わったら———きっと、終夜は戻ってくるよね・・・?」
「・・・わからねぇ」

リボーンはそれだけ言って、俯いた。





クロームが可笑しいと聞き、俺達は黒曜ランドに入って行った。
その奥で、初代霧の守護者が現れ、クロームを操っていたと言った。
俺の目に怒りが宿る。
ボロボロの姿でD・スペードは喋りだした。

「ん〜ん、貴方の目・・・彼女と似ていて嫌ですね・・・凄く、不愉快です」
「彼女・・・?」
「壊崎の事か!?」

隣に居た獄寺君がそう叫んだ。
D・スペードは、ハハッと笑った。

「えぇ、そうですよ。貴方の目は彼女と似ていて不愉快です。その、覚悟を称えた瞳が・・・」

ギッと俺を睨んできたD・スペードに俺はスッと拳を降ろした。
するとプリーモが現れ、Dをなだめた後、俺を向いた。
そして、証を渡してくれた。

「・・・ボンゴレⅩ世・・・」
「・・・何ですか?」
「貴様に、教えておかなければいけない事がある」

そういって初代は、俺の額に人差し指を乗せた。


—ポゥッ


プリーモの指に炎が灯る。

「・・・!?」
「貴様に、ヨル・・・いや、「 未来から来た 」ヨルの記憶を・・・受け渡そう」

全ての記憶が——開放される。
流れ込んだ記憶に、俺は呆然と立ち尽くしていた。
初代が消えた後——俺は、ひざまづいた。
絶望ではなく、希望と、開放感。

「・・・十代目?」
「ツナ?」
「・・・」

俺は、涙を流した。



(真実を取り戻した)(やっと———)





「・・・コレでよかったのか?」
「あぁ、コレでいい」

プリーモは少しだけ微笑んでみせる。
悲しげな微笑だった。

「真実、でござるか」
「・・・あぁ。元々終夜は、ヨルは———」


                              ———この時代の、人間なのだからな。





全てを——思い出す。

思い出した記憶は、凄く幸せなものだった。

「ツナ?どうしたんだ?」

山本の声が聞こえた。
俺は記憶の追憶を止めて、山本の顔を見た。

「思い、出したんだ」
「何をだ、ツナ」

隣にリボーンが座って俺の話を聞く。
突然現れた骸も、俺の話を聞いていた。

「終夜は、俺の———」

そうだ、思い出したんだ。

全ての真相が全て全て全て。
空のように広く流れて行って。
広く大海の様に大きく広がっていって。

「・・・俺の、」

俺は、涙を流した。
拳を胸の前で握る。

「終夜って、名前じゃなかったんだ。改名して——数千年もの月日を流れて、記憶を失って。最後の最後の記憶を失っていたんだ・・・、だから、プリーモは・・・ッ」


——終夜を——封印したんだ。


「・・・戻ろう、未来へ」
「・・・あぁ!」

この記憶を———終夜に渡しに行こう。
俺は、終夜を迎えに行く。

・・・いや、迎えに行くのは———俺の。




俺の、大事な———。