二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 僕が、もしも——。【REBORN】  〜未来決戦編〜 ( No.37 )
日時: 2010/08/18 11:35
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「終夜・・・!」
「・・・」

虚空を見つめるその目は、光を失いながらも俺を見ていた。
真っ直ぐに。
俺は強く拳を握り締める。

「終夜!思い出せ!」


——ドンッ


俺は空中に飛んで終夜に向かう。

「・・・零地点突破・初代エディション」
「!?」
「初代エディションだと!?」


——パキィィィンッ


黒色の氷が俺の体を凍らす。
俺はダンッと一旦地面に足を付いて膝間づく。

「・・・グッ・・・」

終夜も地面に降りて只、俺を見据えていた。

「何故、終夜が零地点突破を・・・?」
「沢田ァ!何油断してやがる!」
「!」


—ドガァァンッ


終夜の拳が俺に降りかかった。
俺はその拳をガードする。

「終夜・・・!」
「・・・———」


—ガッ


「ガハッ」

腹に足を蹴り込まれた。
森の木まで吹っ飛んで俺は叩きつけられる。

「アハハハハッ終夜君には適わないよ、綱吉クン」
「・・・ッ」

俺は、終夜の眼を見た。





目の前で、綱吉がうずくまっていた。
俺は拳を再び握り締める。


——ボォッ


拳に炎が宿る。

「終夜ッ・・・思い出せ・・・。あの「 約束 」を・・・」
「・・・」


——ダンッ


—ドガァァンッ


「ガハッ・・・」
「・・・」

沢田綱吉に再び拳を叩きつけ、沢田綱吉はうずくまる。
俺の目を見上げ、只、ひたすらに。

「終夜・・・ッ」
「・・・」




                             ——ねぇ、俺、大きくなったら。




「・・・」


—ズキンッ


「・・・ッ」

俺は頭を抑えてうずくまる。
記憶が、疼く。

「終夜・・・ッ」
「・・・ヤメロ・・・」

気が付けば言葉を発していた。
苦しい、苦しいんだ。

「終夜!」
「うるさい!」


—ズガァンッ


「グッ・・・」

俺の拳を沢田綱吉は止める。
頬に涙が伝った。

「終夜・・・」
「・・・その名前で貴様が呼ぶな!」
「ッ」

何度も繰り出す拳に、沢田綱吉は顔を歪める。

「終夜ァァァァアア!」


—ドガァァァンッ


「クッ」

今度は沢田綱吉の拳を俺が止める。

「何て戦いだ・・・」
「・・・苦しい・・・」
「十代目・・・」
「・・・」
「終夜・・・思い出してくれよ・・・」
「・・・クッ・・・終夜、・・・ゴメン」

沢田綱吉がそう言った瞬間、炎は消えた。



「零地点突破・初代エディション」



俺にかざされたその手からは、冷気があふれ出した。
俺の意識は、闇に沈む。





「・・・」

終夜を凍りに閉ざした後、俺は白蘭を見上げた。

「・・・お前だけはッ・・・」
「・・・」



                               「お前だけは許さない!」




炎が、燃え上がった。






——パァァァァァ・・・


リボーンの持つおしゃぶりが光りだした。

「ユニじゃねぇ、この光は・・・」

靴の音が鳴り響く。

そして———。

「始めまして。黄色のおしゃぶりを持つアルコバレーノ。そして——ボンゴレのかたがた」

その人物は、フッと笑った。
黒髪が長く、中性的な顔立ちの少年はリボーンを見た。

「何者だ、テメェ!」
「待て、コイツは敵じゃねぇ。・・・お前、そのおしゃぶりは」
「ハイ。我が父、「 ルナ 」から受け継ぎました」

その人物は只、黒く淡く光るおしゃぶりを携えて、現れた。





                            「俺は、ライ。夜空の、アルコバレーノです」





《73》—トゥリニセッテ—の夜空が、全て集まった。