二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 僕が、もしも——。【REBORN】 〜未来決戦編〜 ( No.40 )
- 日時: 2010/08/18 14:33
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
——ねぇ、君の記憶は本当の記憶かい?
—Flame,17— 涙
『今のボンゴレリングは仮の姿だ』
ボンゴレリングの奇跡によって現れたボンゴレプリーモは、そう言った。
『お前になら、このリングの本当の意味と俺の石を判ってもらえそうだからな』
——キュォォォォッ
「!」
——ボァァァァァァ
リングに溢れんばかりの炎が宿り、リングの形状は変わる。
「これがオリジナルのボンゴレリング!」
『Ⅹ世・・・マーレの小僧に一泡吹かせて来い』
そして、ボンゴレプリーモは消える。
『壊崎終夜・・・俺の後継者よ』
ヨルは彼女の頬に触れる。
ミルフィオーレの隊服がふわっと広がる。
リングの形状は変わったが、一向に目覚めない。
『・・・後は頼んだぞ、ボンゴレⅩ世・・・』
ヨルは最後にそう言葉を発して、姿を消した。
沢田綱吉は、白蘭と真っ先に戦っていた。
そして、羽がちぎられた白蘭は——。
「何が嬉しいって・・・生まれて初めて前進の力を使い切ることが出来る!」
そう叫んだ白蘭は、飛び上がり、背中から黒い手の様な物を出して攻撃する。
その手を拳で断ち切った。
「しまった!ユニに落ちる!」
——ガキィンッ
(炎で弾いた!ユニの全身から・・・大量の大空の炎が!?)
「本気なんだね・・・本気でおしゃぶりに命をささげて死ぬ気なんだねユニ!」
「ユニ!?」
◆
暗く深い闇の奥深くで。
俺は空なんて無いはずの頭上を見上げた。
手を伸ばしてみる。
誰か——手を掴んでくれると信じて。
だけど、誰も手は握ってはくれなかった。
その手を——俺は握り締める。
そして、闇深くへと歩み始めた。
◆
ガンマとユニが命をささげ、消えてしまった。
ツナの怒りは臨界点を超えてしまった。
そして二つの大空はぶつかり合う。
「うォォォォォおおおお!」
「うがぁぁぁぁあああああ!」
「結界が破れる!」
「消えろ!」
「喰らえ!」
「らああああああ!」
「うぉおおおおお!」
二つの力がぶつかり合う。
そして、勝ったのは。
「うぎゃああああ!」
白蘭は消えて行く意識の中で、マーレリングを受け取ったときの事を思い出していた。
そして、記憶の端には。
——貴方がジッリョネロの若きボス、白蘭ですか。
——うん♪君は?
——俺は、壊崎終夜。いや——、沢田、終夜。
——へぇ、じゃあ君が、ボンゴレ夜空の守護者?
——あぁ。今日は、俺のボスの代わりに来ました。
——部屋に入ってもっと色んなことを話そうよ。
(君は、あの時。僕に———何を言いたかったのかな)
——貴方は——。
僕は、少しだけ最後に笑って見せた。
「完敗だよ・・・」
◆
カランッ・・・
マーレリングが落ちる音と共に、全員が歓喜の声を上げた。
死ぬ気化が解けていく。
「ガンマと、ユニが・・・」
「兄貴ー!」
「姫・・・」
太猿と野猿は泣き崩れる。
ツナも力が抜けたようにその場にへたり込む。
そして残った桔梗は全ての事を話した。
一般人であること、そして自分達の事。
ザンザスが銃弾を打ち込んだ後、ルッスーリアが命をつなぎとめた。
俺はフラリと倒れこむ。
そして、アルコバレーノも復活して。
俺達は無事な未来に帰れることになった。
だけど。
「・・・終夜は!?」
「終夜なら此処に倒れてるぜ!」
俺は終夜に近づいて、残り少ない大空の炎を、指に灯した。
「ツナ・・・何を」
「・・・終夜」
俺は、悲しげな瞳を終夜に向ける。
額に人差し指を当てる。
「お帰りって、言うって約束したんだ」