二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 僕が、もしも——。【REBORN】  〜未来決戦編〜 ( No.40 )
日時: 2010/08/18 14:33
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

——ねぇ、君の記憶は本当の記憶かい?



—Flame,17— 涙


『今のボンゴレリングは仮の姿だ』

ボンゴレリングの奇跡によって現れたボンゴレプリーモは、そう言った。


『お前になら、このリングの本当の意味と俺の石を判ってもらえそうだからな』


——キュォォォォッ


「!」


——ボァァァァァァ


リングに溢れんばかりの炎が宿り、リングの形状は変わる。

「これがオリジナルのボンゴレリング!」
『Ⅹ世・・・マーレの小僧に一泡吹かせて来い』

そして、ボンゴレプリーモは消える。


『壊崎終夜・・・俺の後継者よ』


ヨルは彼女の頬に触れる。
ミルフィオーレの隊服がふわっと広がる。
リングの形状は変わったが、一向に目覚めない。

『・・・後は頼んだぞ、ボンゴレⅩ世・・・』

ヨルは最後にそう言葉を発して、姿を消した。
沢田綱吉は、白蘭と真っ先に戦っていた。
そして、羽がちぎられた白蘭は——。

「何が嬉しいって・・・生まれて初めて前進の力を使い切ることが出来る!」

そう叫んだ白蘭は、飛び上がり、背中から黒い手の様な物を出して攻撃する。
その手を拳で断ち切った。

「しまった!ユニに落ちる!」


——ガキィンッ


(炎で弾いた!ユニの全身から・・・大量の大空の炎が!?)


「本気なんだね・・・本気でおしゃぶりに命をささげて死ぬ気なんだねユニ!」
「ユニ!?」





暗く深い闇の奥深くで。
俺は空なんて無いはずの頭上を見上げた。
手を伸ばしてみる。
誰か——手を掴んでくれると信じて。
だけど、誰も手は握ってはくれなかった。
その手を——俺は握り締める。
そして、闇深くへと歩み始めた。





ガンマとユニが命をささげ、消えてしまった。
ツナの怒りは臨界点を超えてしまった。
そして二つの大空はぶつかり合う。

「うォォォォォおおおお!」
「うがぁぁぁぁあああああ!」
「結界が破れる!」
「消えろ!」
「喰らえ!」
「らああああああ!」
「うぉおおおおお!」

二つの力がぶつかり合う。
そして、勝ったのは。


「うぎゃああああ!」


白蘭は消えて行く意識の中で、マーレリングを受け取ったときの事を思い出していた。
そして、記憶の端には。



——貴方がジッリョネロの若きボス、白蘭ですか。

——うん♪君は?

——俺は、壊崎終夜。いや——、沢田、終夜。

——へぇ、じゃあ君が、ボンゴレ夜空の守護者?

——あぁ。今日は、俺のボスの代わりに来ました。

——部屋に入ってもっと色んなことを話そうよ。



(君は、あの時。僕に———何を言いたかったのかな)




                                 ——貴方は——。



僕は、少しだけ最後に笑って見せた。

「完敗だよ・・・」





カランッ・・・


マーレリングが落ちる音と共に、全員が歓喜の声を上げた。
死ぬ気化が解けていく。

「ガンマと、ユニが・・・」
「兄貴ー!」
「姫・・・」

太猿と野猿は泣き崩れる。
ツナも力が抜けたようにその場にへたり込む。
そして残った桔梗は全ての事を話した。
一般人であること、そして自分達の事。
ザンザスが銃弾を打ち込んだ後、ルッスーリアが命をつなぎとめた。
俺はフラリと倒れこむ。
そして、アルコバレーノも復活して。
俺達は無事な未来に帰れることになった。

だけど。


「・・・終夜は!?」


「終夜なら此処に倒れてるぜ!」


俺は終夜に近づいて、残り少ない大空の炎を、指に灯した。

「ツナ・・・何を」
「・・・終夜」

俺は、悲しげな瞳を終夜に向ける。
額に人差し指を当てる。





「お帰りって、言うって約束したんだ」