二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 僕が、もしも——。【REBORN】  〜最終編〜 ( No.44 )
日時: 2010/08/18 16:27
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

記憶の隅っこ。

笑っている君。

誰だか判らない。
目を閉じれば思い浮かんでくる少しだけの記憶。
言葉は何も無い。
再び目を開けたとき、一人の少年が目の前に立っていた。
お見舞い、と言って、俺の頭を撫でてくる。
凄く、暖かい手だった。


(このリングをくれた人と同じ———)


だけど何時もお見舞いに来るその人は、何時も悲しげな表情をして帰っていく。


(・・・)


俺は言葉を発せない口で、必死に伝えようとした。
何かを。
その何かが判らないけど。
彼等が帰って行った後で、一人の女の人が尋ねてきた。
首からオレンジ色のおしゃぶりを携えた、女の人。

「あら、始めましてかしら?壊崎終夜君」
「・・・」
「貴方に渡したい物があって来たの」

女の人から渡されたのは、黒いおしゃぶり。
俺はそのおしゃぶりを見つめる。

「コレはね。この時代の夜空のアルコバレーノから渡されたものなの。貴方にしばらくの間、預かっていて欲しいって」
「・・・」
「だから、貴方が預かっていて頂戴」

俺は、そのおしゃぶりを強く握り締めた。





「あんなガキにあんな大切な物を渡していいのか?ボス」
「彼が渡したいって言ったのよ。だからいいの」

病院の前で、ガンマにアリアはぶっきらぼうにそういった。
アリアは車に乗り込んで、扉を閉める。

「まぁ、私のプレゼントなんかより、もっと素敵なプレゼントが待ってるんだけどね」


アリアはそういって微笑んだ。