二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 僕が、もしも——。【REBORN】 ( No.5 )
- 日時: 2010/08/16 13:31
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
「壊崎終夜、お前邪魔だ。消えろ」
廊下を歩いていると急に目の前に赤い髪の奴が現れてそんな風に答えていた。
俺は額に手を当てて、溜息を吐いた。
「誰?俺、知らないんだけど」
「じゃあこういえばいいか?俺は、「 血の赤鬼 」」
俺はそこで、顔を上げた。
「知ってるよなぁ。俺の事は」
「・・・」
俺は別に表情を作らず、無表情で顔を上げた。
ふぅん、と俺は言う。
「興味無いな」
「お前に興味は無くても俺はあるんだよ」
ガッと首をつかまれ、壁に押し通される。
「お前が居ると、沢田綱吉を殺せない」
「・・・」
「お前は邪魔だ、だから——」
服の裾から取り出したのはナイフ。
俺の首に突きつける。
「死ね」
俺の頬から赤い筋の血が流れる。
赤い血が頬から落ちて、コンクリートに落ちていった。
「だが、お前を殺すにはまだ早い」
「・・・」
「お前には、沢田綱吉に嫌って貰わないといけない」
持っていたナイフを、自分の腕に切りつけた。
俺は、次第に頭の中が真っ白になっていく感覚が襲う中。
だんだんと安心していくのを感じた。
(俺は——嫌われ者でいい)
数百年——数千年経った、今でも。
赤鬼の声が木霊する中、俺は目を伏せた。
◆
甲高い声がした方向へ俺達は走り、たどり着く。
「ッ!・・・山崎さん・・・?終夜、君も・・・」
山崎さんの腕からは血が流れていて。
側には大振りのナイフが落ちていた。
血が付着している。
終夜君は、何も言わずその場に立っていた。
「終夜、君がッ・・・俺が邪魔、だからって・・・」
そういって泣きじゃくる山崎さんを見て、俺は頭が真っ白になる。
(終夜君が・・・?何で?判らない)
「終夜が雄途を傷つけたのかよ!」
「最低な野郎だぜ」
後ろに居た山本と獄寺君がそう叫んでいた。
だけども、俺は。
「嘘だ」
「!?」
「・・・」
「嘘だ、よ。終夜君は、やっていない」
「何言ってんだよツナ!どう見てもこいつが———」
俺は、終夜君の肩を掴んだ。
「終夜君、やってないよね?」
終夜君は、俺の肩の手を、バッと振り落とした。
「終夜、君・・・?」
「俺がやった」
終夜君は、山崎君の顔を見て、言った。
俺の頭の中は、真っ白になっていった。
◆
(相変わらずですね・・・終夜)
僕は先程とは違う生徒の体に憑依して、責められる終夜を見ていた。
(ですが・・・何故、彼はそこまでして・・・)
そうだ。
何故、彼は———。
(そこまでして、罪を背負う必要があるのですか・・・ッ)
気が付けば、動いていた。
憑依したままの体で、終夜を庇っていた。
「・・・むく、ろ」
「・・・やっと気が付きましたか、」
僕は体中に刻まれた罪を見ながら、顔を歪ませた。
「沢田綱吉」
「・・・何だよ」
「壊崎終夜を、信じてあげてください」
「・・・!?」
◆
突如現れた骸に、俺は驚きはしなかった。
その代わりに、その言葉に驚く。
「ツナ、何そいつのことを信じてんだ」
「え・・・」
隣に急に居たリボーンが怪訝そうに顔をゆがめた。
「ソイツは暗殺者の赤鬼だゾ」
「え!?」
「・・・ばれちゃった・・・」
そういってクスクスと笑った。
「どういう、事・・・」
「お前を陥れて終夜を殺すつもりだったんだ」
「え・・・」
終夜君は、俯いている。
「終夜は知っててわざと受けてたみてぇだがな・・・」
リボーンがそう、苦しげに話した。
「ばれたなら仕方ないか・・・なら、そこの壊崎を殺すまでだ。お前は裏社会にとって・・・邪魔だからな」
山崎君が、ナイフを振り上げた。