二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 僕が、もしも——。【REBORN】 ( No.6 )
- 日時: 2010/08/16 13:57
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
——お前は、本当に最低だ!
数千年前の事。未だ、傷は癒えない。
—Flame,03— 傷痕
「危ない!」
俺に振り下ろされたナイフは、一閃を走らせる。
骸の声も、沢田の声も、山本の声も。
俺の耳に入って行った。
—グッ
「ッ!」
「・・・」
俺は振り下ろされたナイフを掴んだ。
手から血が滲んで行く。
血が地面に落ちていって、黒いシミを作っていった。
「終夜君!」
「・・・貴様・・・」
「・・・」
俺は顔を起こした。
◆
壊崎終夜の目は、淡い、強いオレンジ色の瞳が輝いていた。
強い意志と、強い覚悟が。
(・・・本当、貴方は———)
目を閉じた。
「お前に沢田綱吉を殺させない」
「・・・ッ」
「俺は、約束をしたんだ」
(・・・約束、)
僕との約束ではない約束。
彼は——壊崎終夜は、「 時が止まった存在 」。
数千年前の、あの日から——。
「・・・骸、逃げたほうがいい」
「・・・そうです、ね」
僕は、意識を闇に沈めていった。
◆
「沢田」
「あ、え、」
急に終夜君に名前を言われ、俺は戸惑った。
終夜君は只、掴んだナイフを見ていた。
「・・・霧?」
「この霧は・・・」
骸、ではない。
この、冷ややかな霧は。
「復讐者—ヴィンディチェ—」
ヴィンディチェは、山崎君に首輪を取り付けて、その場を後にしていった。
山崎君は、何も言わず、抵抗もせずに霧の中に引きずり込まれていった。
終夜君は、手を押さえて座り込んだ。
「終夜君!」
「・・・大丈夫」
そういって、何も言わずに制服の裾を破り、手に巻きつけた。
「終夜君・・・その、」
「わりぃ!終夜!」
「・・・わりぃ・・・」
二人は終夜君に謝って、頭を下げた。
俺も、「ゴメン」と言って頭を下げた。
顔を上げて、終夜君の顔を見た。
「!」
終夜君の目には、俺達は映っていなかった。
それが無性に寂しくなって。
胸が苦しくなって。
「・・・帰る」
「え、終夜、君・・・?」
終夜君は、フラフラと歩いていった。
(判らない)(終夜君は、何で嫌われようとしたのか)