二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 僕が、もしも——。【REBORN】 ( No.6 )
日時: 2010/08/16 13:57
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

——お前は、本当に最低だ!
数千年前の事。未だ、傷は癒えない。



—Flame,03— 傷痕


「危ない!」

俺に振り下ろされたナイフは、一閃を走らせる。
骸の声も、沢田の声も、山本の声も。
俺の耳に入って行った。


—グッ


「ッ!」
「・・・」

俺は振り下ろされたナイフを掴んだ。
手から血が滲んで行く。
血が地面に落ちていって、黒いシミを作っていった。

「終夜君!」
「・・・貴様・・・」
「・・・」

俺は顔を起こした。





壊崎終夜の目は、淡い、強いオレンジ色の瞳が輝いていた。
強い意志と、強い覚悟が。

(・・・本当、貴方は———)

目を閉じた。

「お前に沢田綱吉を殺させない」
「・・・ッ」
「俺は、約束をしたんだ」

(・・・約束、)

僕との約束ではない約束。


彼は——壊崎終夜は、「 時が止まった存在 」。

                               数千年前の、あの日から——。


「・・・骸、逃げたほうがいい」
「・・・そうです、ね」

僕は、意識を闇に沈めていった。





「沢田」
「あ、え、」

急に終夜君に名前を言われ、俺は戸惑った。
終夜君は只、掴んだナイフを見ていた。

「・・・霧?」
「この霧は・・・」

骸、ではない。
この、冷ややかな霧は。

「復讐者—ヴィンディチェ—」

ヴィンディチェは、山崎君に首輪を取り付けて、その場を後にしていった。
山崎君は、何も言わず、抵抗もせずに霧の中に引きずり込まれていった。
終夜君は、手を押さえて座り込んだ。

「終夜君!」
「・・・大丈夫」

そういって、何も言わずに制服の裾を破り、手に巻きつけた。

「終夜君・・・その、」
「わりぃ!終夜!」
「・・・わりぃ・・・」

二人は終夜君に謝って、頭を下げた。
俺も、「ゴメン」と言って頭を下げた。
顔を上げて、終夜君の顔を見た。

「!」

終夜君の目には、俺達は映っていなかった。
それが無性に寂しくなって。
胸が苦しくなって。

「・・・帰る」
「え、終夜、君・・・?」

終夜君は、フラフラと歩いていった。


(判らない)(終夜君は、何で嫌われようとしたのか)