二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 僕が、もしも——。【REBORN】 ( No.7 )
- 日時: 2010/08/16 14:44
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
—ガタンッ
「・・・ッ」
涙が頬を伝って、落ちていく。
座り込んで、首から提げていた懐中時計の蓋を開けた。
「・・・何で、何で・・・」
苦しい。
苦しくてたまらない。
痛くて、痛くて。
「何で皆同じ顔なんだよッ・・・」
あれから。
あれから何年も経っているのに。
自分だけ、時を止めて存在していて。
彼らの居ない時代に生き延びて。
「・・・」
「終夜君!」
玄関から声がした。
俺は玄関の扉を開けて、ソコに立っている少年を見た。
「・・・沢田君」
「その・・・さっきは、本当にゴメン。俺・・・疑って・・・」
「・・・もう、いいよ」
俺はそういって、扉を閉めようとする前に、沢田が家に入ってきた。
「・・・ッ本当に、ゴメン・・・」
「判ったから、もういいって」
「終夜君、我慢、してるでしょ?」
俺の手を握って、聞き返してくる沢田に、俺は何も言えなかった。
(我慢)
「大丈夫だよ、終夜君、泣いて」
「うっ・・・あ・・・」
俺は、涙を抑えずに、泣いた。
◆
「・・・」
「ツナ、ツナ!」
俺がボォッとしていると、リボーンが俺に話しかけてきた。
俺はハッとなってリボーンを振り返る。
「リボーン、何だよ」
「・・・終夜の事を考えてたのか?」
「まぁ・・・」
(終夜君、一時間も泣いてたし・・・)
俺は心配になって、教室を飛び出しちゃったけど。
「とにかく今日は寝ろ。俺も眠たいゾ」
「そうだな・・・」
俺は電気を消して、目を閉じた。
◆
《壊崎君かい?》
電話の向こうの相手——九代目は、俺の声を聞いて安心しているようだった。
何か、心配だったのだろうか。
(超直感、か)
「大丈夫ですよ。俺は」
《そうかい?それならいいんだが・・・》
「・・・あれから、三年になりますね」
《そうだね・・・君を見つけたのは、本当に奇跡的だった》
俺は思い出す。
俺を氷から助けてくれたのはこの人だった。
「・・・」
《だけど、キミは———》
「・・・九代目、有難うございます」
《・・・》
「俺は、確かに。彼を——憎んでいました。だけど、もう」
(その考えは、終わりにしよう)
《・・・そうだね。キミは——強いから》
——お前は強い。
《だから、キミは生きている》
「・・・ハイ」
俺は、受話器を親機に置いた。
(冷たくて)