二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 僕が、もしも——。【REBORN】 ( No.7 )
日時: 2010/08/16 14:44
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

—ガタンッ

「・・・ッ」

涙が頬を伝って、落ちていく。
座り込んで、首から提げていた懐中時計の蓋を開けた。

「・・・何で、何で・・・」

苦しい。
苦しくてたまらない。
痛くて、痛くて。

「何で皆同じ顔なんだよッ・・・」

あれから。
あれから何年も経っているのに。

自分だけ、時を止めて存在していて。
彼らの居ない時代に生き延びて。

「・・・」
「終夜君!」

玄関から声がした。
俺は玄関の扉を開けて、ソコに立っている少年を見た。

「・・・沢田君」
「その・・・さっきは、本当にゴメン。俺・・・疑って・・・」
「・・・もう、いいよ」

俺はそういって、扉を閉めようとする前に、沢田が家に入ってきた。

「・・・ッ本当に、ゴメン・・・」
「判ったから、もういいって」
「終夜君、我慢、してるでしょ?」

俺の手を握って、聞き返してくる沢田に、俺は何も言えなかった。

(我慢)

「大丈夫だよ、終夜君、泣いて」
「うっ・・・あ・・・」

俺は、涙を抑えずに、泣いた。





「・・・」
「ツナ、ツナ!」

俺がボォッとしていると、リボーンが俺に話しかけてきた。
俺はハッとなってリボーンを振り返る。

「リボーン、何だよ」
「・・・終夜の事を考えてたのか?」
「まぁ・・・」

(終夜君、一時間も泣いてたし・・・)

俺は心配になって、教室を飛び出しちゃったけど。

「とにかく今日は寝ろ。俺も眠たいゾ」
「そうだな・・・」

俺は電気を消して、目を閉じた。





《壊崎君かい?》

電話の向こうの相手——九代目は、俺の声を聞いて安心しているようだった。
何か、心配だったのだろうか。

(超直感、か)

「大丈夫ですよ。俺は」

《そうかい?それならいいんだが・・・》

「・・・あれから、三年になりますね」

《そうだね・・・君を見つけたのは、本当に奇跡的だった》

俺は思い出す。
俺を氷から助けてくれたのはこの人だった。

「・・・」

《だけど、キミは———》

「・・・九代目、有難うございます」

《・・・》

「俺は、確かに。彼を——憎んでいました。だけど、もう」

(その考えは、終わりにしよう)

《・・・そうだね。キミは——強いから》


——お前は強い。


《だから、キミは生きている》

「・・・ハイ」

俺は、受話器を親機に置いた。




(冷たくて)