二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re:    傷痕-嘘か誠か-  【DR!!】 ( No.4 )
日時: 2010/08/18 22:06
名前: 牛乳寒天 (ID: ELEtmaFx)



—2cry;その鋭さは甘さと優しさの証拠
                   (あんた、ホントは…)



「ただいまー」

「おにいちゃん、おかえりー!!」


光が勢いよく抱きつく。
けど、光が抱き付いた時ふと光から酒の匂いがした。

(もしかして…)

気付いた時にはには、既に遅かった。
リビングのドアがもの凄い音で開くと、同時に見覚えのある女性が出てきた。

あの黒くサラサラの長い髪。
見惚れるような整った顔立ち。
ここまでが、一般男性が思う理想の女性像。

問題は、リビングの床に転がる数本の酒の空き瓶。

(あっ、やばい…来る…ッ!!)


「明お帰り————————————ッ!!!」


俺の義姉の妃翼が、俺目掛けて抱きついてきたのだ。
姉さんの抱きつきにバランスを崩し頭を玄関のドアにぶつかった。

(痛い…ッ)

派手に当たったので以外に痛かった。

すると、姉さんがむくりと起き上がり光に向かってピースをした。
勿論光もピースをする。

そして、俺に向かって二人共同時に、


「「大・成・功ッッ!!イエ〜ッイ!!」」


と言いまたリビングに走って戻っていった。


「……俺はここで放置かよ」


嵐の過ぎ去った玄関で一人突っ込みを入れてしまった。



***



「姉さん…って、臭ッ!!?」


リビングのドアを開けると酒の匂いが鼻腔を刺激した。
床に目をやれば数本の酒瓶が無造作に転がり、状況を一気に把握した。

唖然としてる俺と逆に、明るい声で沈黙を破った。


「よし、明!飲む相手が居なくなったから飲もう!!」

「未成年に酒飲ますなぁッ!!」

「えー光ちゃんなんて、超いー飲みっぷりだったよ?」

「飲ましたの!?」

「嘘に決まってんじゃん!そんな怒ると光ちゃんが起きちゃうわよ」


と、一人で爆笑している姉さん。
俺の口からは、自然と溜息が出た。

(今日に限って何でこんなに早いんだ)


「にしても明!光ちゃんを置き去りにしてどこ行ってたのよぉ〜あっもしかして彼女の家ですか!?」

「違うよ。友達の家」

「あ、明…アンタまさかのそっち系?でも、安心しなさい。お姉ちゃんはそんな偏見は持たないから!寧ろそっちでもいいわよ!!」

「いや違うから。あと俺は列記としたノーマルだから」


なんて、笑顔でボケる姉に対して冷静に突っ込む俺。
傍から見れば漫才にしか見えないだろう。

俺は、イスに座りテーブルに置いてある缶ジュースを空け一気に飲み干した。
そのジュースは乾いていた喉を潤すのに充分だった。


「時に明、少し聞いても良いかしら」

「何?」


すると、姉さんは酒の入ったコップと逆の手で俺を指差した。


「袖の血。どうしたのかしら」

「え…あ、ホントだ。友達の家で何かしたのかな?」


服の袖に少量の血がついていた。
袖の辺りは白いから少し目立ったのだろう。

チラッと姉さんを見れば、姉さんの目が一瞬鋭く見えた気がした気のせいか?


「気を付けないさいよね〜」

「あ…う、うん」

「それじゃあ、あたしは明日早いからもう寝るわね」

「おやすみ…」

「おやすみ、あんたも早く寝るのよ」


そう言って、リビングを出て自室に向かった姉さん。

(今度は…気を付けないと)

俺は心の中で渇をいれ、姉さんが散らかした酒を片付けることにした。



***



(明…あんた、)

昔から明は夜に出かけることが多くなった。
友達の家に居ると言い張る明。

でも、明らかにそれは嘘だとわかった。

(ホントは何がしたいの?)

唇をかみ締め、無理矢理眠りにつくことにした。