二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 小さな本棚の中の本達 【REBORN】 ( No.1 )
日時: 2010/08/21 11:13
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

気が付けば何時も彼女の周りには、仲間達が集っていた。

俺には無い、優しさ。

何時も俺は暗い表情で学校に通っていた。

「・・・また、苛められる」

そう思うと学校が辛くて。

そんなある日の事だった。

何時もどおり、俺がイジメを受けていると、

「やめろよ。嫌がってるだろ?」

「何だよ、刹那。ソイツの味方するのかよ」

俺が震えていると、君は淡々としゃべりだした。

「悪い者って言うのはね、何時もそういって自分は悪くない、自分は悪くないって言い聞かせてるんだよ。今のお前達がそうだ。早く行けよ」

その言葉の意味も理解できない彼等はたじろいで、何処かへ行ってしまった。

彼女の目を見れば、凄く鋭い瞳をしていた。

「あ、あのッ・・・」

「大丈夫か?」

「あ、うんッ・・・ねぇ、君は・・・」

「あぁ、俺は壊崎刹那。それよりお前、沢田綱吉君だろ?」

「え、あうん。でも、何で——」

「お前の事、気になってたんだ。ずっと苛められてたから。ゴメンな。今まで助けてあげられなくて」

そういって君は俺の髪を撫でた。

優しくて、暖かい手。

自然と涙が溢れた。

「俺、刹那君みたいに明るくないし・・・優しくないからッ・・・」

「そんな事、無いよ。ツナは優しい」

「え・・・何で?」

「だって、ずっと苛められてるとき、その花をかばっていたでしょ?」

そういって俺の手の中にある、地面に咲いた一輪の花を指した。

「・・・」

「だから、ツナは優しい。だからきっとツナの前には友達が一杯できるよ」

「本当?」

「あぁ」

君はそう笑ってくれた。

あれから、もう三年も経ったね。

俺は中学二年生になるよ。

だけど、君は俺の事を忘れているね。

何時も、俺が通っても君は気付かない。

だから、俺は自分から話す事にしたんだ。

「ねぇ、壊崎さん」

「・・・君は隣のクラスの・・・」





『君は俺に大切な事を教えてくれた。』





(有難う)