二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 小さな本棚の中の本達 【REBORN】 ( No.3 )
日時: 2010/08/21 11:46
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

「誕生日おめでとう、刹那!」

「有難う、ツナ」


君は無邪気な笑顔で俺を見る。

だけど気が付けば君はそんな笑顔すら出来なくなってしまっていた。

何故って?

ソレは俺が壊したから。

君はその笑顔を皆に向ける。



                              その笑顔は俺だけの物なのに!



俺は君を閉じ込めた。

真っ赤な真っ赤な世界に閉じ込めた。

君は泣き叫んで、出してほしいと哀願したけども、その声でさえ愛しくて。

狂いそうなほど愛しくて。

君は泣かなくなった。

変わりに君は俺に対してだけに笑う。

悲しそうに辛そうに笑った。


「ツナ、誕生日おめでとう」


カレンダーなんて無いのに、君はそんな事を言った。

俺が何でわかったの、と聞くと壁を指差す。

夜が明けるにつれて、一つ一つ傷をつけていたらしい。


「ツナの誕生日は、今日だったよね」

「・・・」

「ねぇ、ツナ。     」


聞こえなかった。

俺はもう一度聞き返す。

だけど、聞こえなかった。

すると刹那が俺の手を握って、笑いかけた。

そして、もう一度言った。



「愛してるよ、ツナ」







『狂った愛情の先に見えたのは、純粋な愛』







(涙が頬を伝った)