二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 薄桜鬼【タイトルはそのうち決めます】 ( No.82 )
日時: 2010/11/28 17:53
名前: 奈絡 ◆nMFqOF/qCM (ID: 3rAN7p/m)
参照: http://sanctuary.nandemo.gr.jp/work/miyako/

>>78の続きです

俺がそう聞くと斎藤は
「そ、それは……」
と呟き、俺から視線を外した。
しばらく、沈黙が続いた。
 こいつ、答える気、ないのかな?
そう思い、架那は話を切り上げようとした。
「じゃあ斎藤さん、もう話はないんで私はもどりますね」と言い、部屋へ向かおうと、歩き出した。
      その時、
     「待て」
斎藤が俺を呼び止めた。
「何?」
俺が振り返ると、斎藤と目があった。
斎藤は一度、俺から視線を外した。
その瞬間、俺と斎藤の間をさわやか春風が吹きぬけた。
斎藤は、その風を受け流し、再び、俺に向き合い、こう言った。
「架那、あまり無理をするなよ。」 
ただ、一言。それだけだった。
斎藤は、そう言い中庭から歩き去った。
俺は一人、中庭に取り残されていた。
 ……無理をするな、か……
 意外と優しいのか?あいつ
俺はその後、部屋に戻り布団に寝転んだ。
そして、土方たちに言われたことを思い返した。
     ——お前が無事でやかったよ——
     ——あまり無理はするなよ——
 ……………………何か想像がつかねぇなぁ
あの、鬼の副長たちがあんなに優しい言葉を言うなんて……
 皆、根は優しいやつってことか?
俺は、そう思うとな何故か少しおかしく思い、少し笑った。
そんなことを考えていると架那の脳裏に眠気が生まれた。
やがて、その眠気は架那の頭を侵食していき、架那の意識を闇へと導いた。
弐の六&第二章・完!