二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: Chapterⅱ ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.169 )
- 日時: 2011/03/08 19:49
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: 大好キ、大嫌イ、好キ、嫌イ、愛シテル、愛シテナイ、関心、無関心。
*+没編+*
なんか、ちょっと書きたくなった。
本編?? これ書いたら、ちゃんと書くよvv
さて、どこが違うか、分かるかなァ??
(いや、多分、結構違います。つか、どこの話しか、分かるかなー??)
****
「ぶちょー、今、全員帰りまし、た??」
赤也が部室のドアを開けたとき、彼は目を見開いた。
「何、してん、っスか。先輩たち」
拒絶したい光景を、赤也は見ながら聞く。
ロッカーに当たり、下で座っている紅蓮。
多分、それをしたであろう真田。
周りで見ているレギュラー達。
「切原くん、これは彼の“自業自得”です」
柳生はメガネを上げながら、赤也の質問に答える。
「何、っスか、それ…。意味、わかんないっスよ!!」
赤也が叫んでも、紅蓮はそっちを向こうとしない。
「紅蓮先輩も、いつも避けてるじゃないっスか!! 何で、避けないんっスか!!」
「赤也!!」
紅蓮の元へ行こうとする、赤也をジャッカル、ブン太でとめる。
「そろそろ言ったらどうだ、紅蓮。お前は、何故そんなコトした」
柳の言葉で、やっと紅蓮は顔を上げた。
その顔は、いつものように笑っていて、口角も上がっている。
赤也は、紅蓮の赤い頬を見ると、顔を歪めた。
「嫌だね、何でお前らに一々言わないといけないんだよ」
彼の笑った顔を見れば、真田は眉を寄せる。
仁王は柳生の隣で、彼を見ながら飴を舐めていた。
だが、今はみんな紅蓮に集中しているから、気付かないだろう。
「ふざけるのも大概にしろっ!! 柊、蓮二が“さっき言ったこと”は本当か聞いているのだっ!!」
真田が怒鳴れば、弦一郎、と柳は静かにするように名前を呼ぶ。
「“さっき言ったこと”ってナニ?? さっきから、いっぱい言われてるから、俺分かんない」
ヘラヘラ、といつも以上に笑う紅蓮。
「俺が、お前に“報告”したことだ。………、赤也に聞かせるつもりか??」
柳が紅蓮に言えば、紅蓮は初めて赤也の方を見た。
「あー、ダメだな。だって、それは“お前ら”が望まないだろ??」
紅蓮は少し首を傾げると、ニヤリと笑う。
「なら、もう一度聞く。さっきのコトは本当か??」
柳が聞けば、紅蓮は一瞬、笑顔が無くなった。
「—————————————————————全部、本当さ。嘘なんてな」
“ないよ”
と言う前に、もう一発真田から喰らう。
「落ちたものだな、紅蓮」
静かに、それでいて悲しそうに真田は言った。
「元々、こんな性格だったろ。落ちたもなにもないよ、弦一郎」
ヘヘ、とやはり笑い続ける紅蓮。
シーン、としている中、柳が口を開く。
「“どうして、君は笑い続けるの”」
紅蓮がゆっくり、柳を見る。
「何で、それ知ってんだよ」
苦笑い気味に。
「調べている最中に、女子が俺に言ってきたんだ」
柳の言葉に、ふ〜ん、と紅蓮の声。
「別に、誰にも言うな。って言ったわけじゃないから良いけど」
それでも、紅蓮は少し不服そうな顔をする。
「じゃぁ、蓮二。お前はその答え分かるか」
紅蓮がニコッと笑って、柳に聞く。
「さぁな。お前のコトは普通の考えを打ち砕く」
“だから、分からない、か”と紅蓮は呟いた。
「俺はな」
少しだけ、話す前に紅蓮は仁王を見る。
「全てを受け入れてる。自分のやったこと全部分かってる。だから、笑えてる」
言い終わると、紅蓮はまたヘラッと笑った。
「みんなの前で笑わなきゃ、とか思ったかもしれねーけど、でも、それだけじゃないよ」
優しく、それでいて紅蓮は悲しそうに笑う。
「“ちゃんと、全部分かってる”から」
そんな姿を見て、幸村はゆっくり“彼”に視線を移した。
「君は、全部知っていたのかい?? ——————————————————“仁王”」
幸村の声で、紅蓮は驚いて幸村と仁王を見る。
仁王は下向いていた顔を上げて、幸村と視線を合わせた。
そして、いつもと変わらない態度を取る。
「何のコトじゃ??」
不思議そうに、それでいて探るな、と言う威嚇の声で。
「惚けるの?? ブン太でさえ、感付いてたんだよ。俺が気が付かないとでも??」
幸村はニッコリと笑う。その後ろで、紅蓮は仁王に向かって首を小さく振った。
「知らん」
興味のない声で、いつも通りにする。
「それは、紅蓮が認めてほしくないからかい??」
幸村が言えば、紅蓮は目を見開いて驚く。
「俺が、ソイツのコトを守ると思うんか??」
クックック、と嫌な笑みを見せながら仁王は言う。
「そうだね。でも、“こういう状況”を予想してたら?? 君には出来るよね、仁王」
幸村はいつもと同じように笑顔で、仁王に言っていく。
「幸村。仁王は「知っとった。全部」」
紅蓮は驚いて、仁王を見る。
すると、仁王はニヤリ、と笑っていた。
「当たり前じゃろ。気付かんはずがない」
はぁ、と紅蓮の溜息と呆れ顔を、仁王は横目で見ながら、幸村を見る。
「何で、止めなかったの??」
幸村が言ってる途中で、紅蓮がよいしょ、って声と共に立ち上がった。
「んなもん、言うっつったら、俺が止めるからに決まってんだろ」
ニコッと笑えば、左頬が赤くなってて痛々しい。
そして、紅蓮は仁王を見ると、一気に冷めた目に。
「ってか、仁王。お前、見学してんじゃねーのかよ」
はぁ、と紅蓮の二度目の溜息。
「そうしてるつもりじゃったが、止めた。練習、したいんでのぅ」
仁王の言葉を聞けば、へぇ?? と紅蓮の笑いを含んだ声。
「幸村、全国終わったら、また“全部”話すよ」
それで良いか、と笑いながら紅蓮は首を傾げる。
「そうだね。聞きたいコトが山ほどあるんだ」
クスッと幸村が笑えば、一気に場の緊張が解けた。
「なー、ジャッカル。ガムくれぃ」
「もうねーよ」
なんて、二人のやり取りも聞こえる。
「仁王」
紅蓮はコツン、と仁王の左肩に拳で優しく叩く。
「なんじゃ」
相手は無愛想のままで、紅蓮はそれを見ると苦笑い。
「———————————————————————————————サンキューな」
それは、君に何度目かの感謝の言葉。