二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: Chapterⅱ ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.180 )
日時: 2011/03/14 19:03
名前: うっさー ◆N4c2pfq3rU (ID: m7pepIKd)
参照: サテ、僕ノ役目ハ此処マデダ。次ハ君ノ番ダヨ、“紅蓮”??

*+第二十一話+*


篠鞍零vs暁野宮唖李栖の試合はタイブレークの末、篠鞍零が勝利を収めた。
そして、氷帝vs青学の試合は見事、青学の勝利。


***[立海戦コート近くにて]


「まっ!! 待ちなさい!!」

スタスタ歩く氷帝ジャージを着ている彼を、ストレートの少女が止める。
「何、輪廻」
テニスバッグを肩にかけ直すと、彼は輪廻を笑顔で見た。
だが、その色のない笑顔を見ると、輪廻は一瞬怯む。

「っ!! な、んで、あの時、ボール取らなかったの!? わざと、取らなかったでしょ?!」
輪廻の叫び声は、少し前にいた氷帝レギュラーに聞こえてて、全員が振り返る。
それが分かれば、唖李栖はあからさまに眉を寄せた。
だが、唖李栖の背にレギュラーが居るわけであって、レギュラーには唖李栖の表情は見れない。

「何のことかな。君は、僕の傷口を抉るの??」
ニコッといつものように笑う唖李栖。
それが、怖い。と思うなんて。
輪廻はぎゅっと、見えないように握り拳をやる。

「嘘。いつも取れるでしょ?!」
「慌ててたんだよ。それに、あの体制からじゃ取れない」
「それでも、唖李栖なら取れるでしょ?!」
「取れない。僕は君じゃないんだから」

唖李栖と輪廻のやり取りを聞いて、レギュラーは心配そうに二人を見た。





「(————————————————そろそろ、か)」




“彼”は、棒付きキャンディーをガリッと噛み砕く。





「唖李栖、最近、変だよ」
輪廻が言っても、唖李栖は不思議そうに彼女を見るだけ。
「それは、君もだろう?? 輪廻」
ニコッと唖李栖が笑えば、輪廻は視線を外す。





「唖李栖。私、唖李栖が分からない」





輪廻が言えば、一瞬だけ唖李栖の表情がなくなった。
だけど、それは、直ぐに、
“貼り付けられた笑顔”に変わる。

「そっか。でもね、輪廻」

そこで区切れば、ゆっくり輪廻は唖李栖を見た。

「僕も、君が分からないんだよ」

唖李栖は、怒ることも、泣くこともせずに、笑う。

「輪廻。はっきり言うね。君は危うい」
輪廻はその言葉で、視線を外す。
「……、そんなこと、ない」
だが、唖李栖は左右に首を振った。

「ない、わけがない。今だって、僕に黙って“何か”してるだろう??」
何も言わない輪廻を見て、唖李栖は溜息。
そして、口を開く。

「本当は、全国だからってこっちに帰ってきたくなかったんだ。
 君が、何か仕出かそうとしてるのは分かったからね。
 これ以上、“何か”を続けるなら、無理やり君を向こうに帰しても良いんだよ」
最後だけは、厳しい口調で言えば、輪廻がゆっくりと口を開いた。

「唖李栖には何も分からないくせにっ!! 勝手なこと言わないで」
今にも、泣きそうな少女を見ても、唖李栖は表情を変えない。
「言ってくれないと分からないよ。君がやってるのは、偽善だ」
輪廻は左右に首を振って、“違う”と言い張る。





「唖李栖の分からず屋!! 大嫌い!!!」





彼女には、自信があった。





自分が、彼を嫌い、と言っても、





彼は、自分を好きだよ、っと言ってくれる、





そういう自信が。

































「————————————————————……僕は、

















































































 “今の輪廻”のこと——————————————————、




























































































































































































































 ——————————————————————————“大嫌いだよ”」