二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: Chapterⅱ ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.233 )
日時: 2011/03/29 10:56
名前: うっさー ◆OOs7K0umK. (ID: bG4Eh4U7)
参照: 嗚呼、もう此処[立海]に来たときに、もう壊れてたのか。

*+番外編3+*


「え、幸村が??」

屋上で、ブン太の驚いた声が響く。
今は、昼の時間。
ブン太、仁王、柳生、ジャッカルはたまに、輪廻を混ぜてお昼を此処で取るのだ。
でも、その肝心な輪廻はまだ来ない。

「見たのか?? 幸村が居るところ」
ジャッカルが言えば、仁王は「いや」と呟く。
「じゃぁ、何故??」
柳生の声に、んー、と仁王はゆっくり口を開いた。

「花の匂いがしたんじゃよ。庭園にある花の匂い」
「なら、幸村くんではないんじゃ??」
「幸村ぜよ。輪廻が言わんかったんじゃから、そうしか考えられん」
仁王が言えば、「でもよー」とブン太の声。

「お前に隠す意味無くね?? 跡部じゃあるまいし」
ブン太が言い終わったのと同時に、ゆっくりドアが開いた。
その人物は、仁王の背中に乗る。

「輪廻さん?!」
「ちょ、お前、その傷どうしたんだよぃ!!」
「あーっと、とりあえず、大丈夫か??」

柳生→ブン太→ジャッカルの順番で話していく。
仁王は何も言わず、パンを食べる。

「やぎゅーさん、その玉子焼きちょうだーい」
口を開けながら、輪廻はその食べ物を待つ。
柳生が食べさせてあがれば、輪廻は嬉しそうに食べる。

「輪廻、ウィンナー食べるか??」
「タコさんウィンナーなら食べたい」
「んじゃ、ほら。はい、あーん」
「あーん」

ブン太が食べさせれば、ゆっくり輪廻は仁王の隣に座った。
普段より多すぎる傷に、仁王は眉を寄せる。

「お前らしくないのぅ」
仁王が聞くと、ふぁぁ、と輪廻は欠伸。
「煩いから、全部受けたの。そんで、立ち去る時にボコボコにしてやった」
輪廻は言いながら、柳生のお弁当から野菜炒めを食べる。

「仁王さんが、丸井さんが、桑原さんが、柳生さんが、切原さんが、真田さんが、柳さんが、幸村さんがって。
 お前らソレしか言えないのかよ、って思ったよ。大変だね、みなさんも」
輪廻が言えば、不思議そうにジャッカルは口を開く。

「でも、お前レギュラーとあんまり関わってないんじゃ??」
ジャッカルが言うと、ニコッと輪廻は笑った。
「残念ながら、全員関わりアリ、ですね」
その発言に四人が驚いたのは、言うまでもないだろう。

「輪廻、幸村以外の奴に何時関わったんじゃ??」
仁王が真剣な表情で言えば、輪廻は驚きつつ笑った。
「んー、いつ、って言われてもなー。真田さんには会う度に追い掛け回されてるし」
え、とブン太とジャッカルの驚きの声が屋上に響く。

「私も、追い掛けてますがね。風紀委員として、ですが」
くいっとメガネを上げながら柳生が言う。
「そうそう。真田さんは撒けるけど、柳生さんにはいつもバレるんだよねー」
そう言いながら、飴玉を一つ口に入れる。

「貴方が行くところは、大体分かりますよ」
「そんで、捕まったときに、切原さんも居たんですよ」
ね、と輪廻が柳生に振れば、柳生は頷く。

「じゃぁ、柳は??」
ブン太は不思議そうに輪廻に聞いた。
「図書室で」
そう一言言えば、「お前、としょ、え??」とブン太の驚いた声。

「何ですかー?? 私が図書室に行っちゃいけないんですか。と言っても、隠れに行っただけなんですけど」
ぷくー、と膨れた表情を見せた後、ケロッとして笑う。
「隠れ、って追われたときにか??」
仁王が不思議そうに言えば、「そーですよー」と輪廻の気の抜けたような声。

「一、二回目のとき、柳さんが守ってくれたんですけど。三回目のときは私が隠れきれなくて」
散々な目に遭いましたよ、と付け加えながら彼女は溜息を付いた。
「ってか、怪我は大丈夫なのか??」
ジャッカルが聞けば、大丈夫ですよ、と彼女は笑う。

「さてと、ほら、みなさん。もう鐘鳴りますよー。教室に戻ってください」
もう全員、帰る準備は出来ていて、輪廻はニコニコと笑って急かす。
「輪廻さんはどうするんですか??」
柳生に聞かれれば、彼女は迷いながらも答える。





「もう少しだけ、此処に居ます」





ふわり、と笑う彼女は、何処か悲しそうに見えた。

***[放課後]





“ねェ、暁野宮さん。ちょっと、良いかな??”





放課後の教室で、彼の登場により、彼女は眉を寄せる。

「ふざけないでくれますか、幸村さん」
幸村は輪廻の右手首を掴みながら、廊下を歩いていく。
「ふふ。君と少し話がしたくて」
にこり、と幸村は柔らかい笑みを浮かべながら言う。
輪廻は付いて行くのに、精一杯だ。

「はな、してっ」
無理に解こうとしても、力一杯掴まれているのか外れない。
輪廻が言えば幸村は、ふふ、と笑っているものの手首は掴んだまま。

「此処だよ」
幸村が連れてきた場所は、体育館倉庫。
「何ですか、喧嘩でも」
するつもりですか、と言えないまま、下に押し倒される。

「った」
輪廻は痛みで少し表情を歪めた。
「ごめんね」
ゆっくり、輪廻が目を開ければ、幸村の悲しそうな顔。

幸村がまた何か言おうとしたとき、輪廻の右手の中に握っていた携帯の着信メロディーが響く。
その音に、輪廻はぎゅっと、小さく握る。






















































「幸村さ—————————————————————————————————————」










































































幸村は顔を離し、輪廻を見れば、彼女は泣いていた。
それは、幸村のココロを苦しめる。






そして、なおも、輪廻の握り締めてる携帯は着信メロディーが流れていた。














































“跡部さん、跡部さん!!”
“何だ、輪廻”
“この曲、すっごく良い曲だと思いませんか??”
“……。まぁ、良い曲なんじゃねーの”
“跡部さんみたいですよね。歌詞が、俺様!! って感じで”
“なんだ、それは俺様に対しての、遠回しの告白か?? アーン??”
“ち、ちが!!”
“ふん。それ俺様が電話掛けたときの着信メロディーにしろ”
“え、何でですか??”
“俺様からの電話は必ず出ろ、って意味だ。それ以外の奴からの出なくて良い”
“……。跡部さんは嫉妬深いなー。でも、良いですよ”
“最初から、お前に拒否権なんざねーよ”
















“跡部さん。だーいすきですよ!!”
“ばーか。知ってる”
“跡部さんは、言ってくれないんですか??”
“……、俺様もお前が好きだ。だから、絶対に離してやらないからな”
“だいじょーぶですよ!! ずっと、ずーっと、一緒ですから”