二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: Chapterⅱ ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.249 )
日時: 2011/03/31 17:35
名前: うっさー ◆OOs7K0umK. (ID: bG4Eh4U7)
参照: 君は笑って、いつも通りにしてみせる。

*+番外編+*


立海大附属1年。
男子テニス部マネージャーをしている有名な子が居た。

“瀬戸内 銀花”

***[図書室]

今日の放課後は、図書室を貸し切って勉強会。
メンバーはレギュラーと紅蓮とマネージャー。

その中でも、一番タチが悪いのは、銀花の同級生の切原赤也。
別名、“赤点エース”でもある。

「あーあ、赤也大変だなー」
ニヤニヤと遠くから見てる銀花は笑った。
「お前は、勉強しないのか」
蓮二が言えば、ニコッと銀花は口を開く。

「柳先輩、銀花は赤也と違って勉強しなくても大丈夫なんですー」
そう勝ち誇った笑みで銀花が言うと、ニヤリと笑う一年先輩が現る。
そして、銀花の隣にワザワザ座ると、上がったままの口角で話し始めた。

「ほぅ?? 昨日、紅蓮に泣きついて泊まった、と言うのはデマなんかのぅ」
「なっ!! 仁王先輩なんでそんなコト知ってるんですか!!」
「おうおう。中学生言うのに、エロいのぅ」
「ち、違います!!」

銀花が慌てて否定すれば、ニヤニヤと笑う仁王。

「うわ、銀花、お前って大胆だったんだな…」
ブン太もガムを膨らませつつ驚く。
「わー!! だから、違いますって!! 勉強を教えてもらって、それで!!」
パタパタと手を左右に振りながら、銀花は答える。

すると、





「静かにせんかっ!!!!!!!!!」





これでもか、と言うくらいのビックリマークを付けた真田に怒鳴られた。

向こうで、赤也、幸村は笑っていて、紅蓮、柳生、ジャッカルは苦笑いでこっちを見ている。

「銀花!!」
真田に呼ばれれば、ビクッと銀花の肩は揺れた。
「すいませんでした!!」
反射的に謝れば、仁王と丸井の吹き出し笑い。

「あ、いや」
真田は眉を少し下げた。普通の人はきっと、分かんないだろうが。
「へ??」
思いっ切り間抜けな声を出した銀花にもっと、吹き出す仁王と丸井。

「赤也の英語を見てくれないか。幸村がそうした方が効率が良い、と言うのでな」
真田の言葉に、銀花はうわぁ、とココロの中で思う。

だが、

「はい、良いですよ」
ニコニコ笑って、銀花はココロと裏腹の言葉を言うのだ。
勿論、真田の後ろに、ニコニコ笑った幸村が見えたからです。


***

「つかれたー」

狭い本棚に寄りかかり、ふぅ、と息を吐く。
此処は、後ろのそのまた後ろの方なので、他のメンバーには見つかり難い。
ぎゅっと、右手で左腕を掴む。長袖の上から。
さっきの言葉が、頭から離れないのだ。





“なァ、お前。この怪我、どうしたんだよ”





嗚呼、うまく笑えてただろうか。
うまく誤魔化すことが、ちゃんと出来ただろうか。
そんなコト、思っても意味が無いのに。
頭の中でグルグル、と回っていく。

「銀花さん」
ビクッとして、声の方を見ると、銀花から大きく溜息が出る。
「柳生、先輩」
その姿を見ると、柳生の眉が下がったのが銀花には分かった。

「どうか、しましたか??」
銀花はニコッと笑い、少し首を傾げる。
「先程、切原君に教えていたとき、少し焦っていたように見えたので、大丈夫ですか??」
一瞬だけ、銀花は目を見開くと、ぎゅっと、自分の腕を強く掴んだ。

「大丈夫ですよ!! 赤也、全然出来なかったから、このままじゃ追試だー、って思って」
えへへ、と銀花は笑う。
柳生は悲しそうにしてから、ゆっくり口を開く。

「何か、切原君に言われましたか??」
柳生はコレを言えば、彼女の笑みが無くなると思った。
そうすれば、きっとみんなに言うかもしれない、と。
でも、彼女はきょとん、としてから、んー、と唸ったのだ。

「赤也、英語大変そうですよー。ぜーんぶ、平仮名なんですもん!!」
いつも寝てるから、と彼女は付け足す。
そうではない、と言おうとしたときだった。

「そうだ、柳生先輩」
「何ですか?? 銀花さん」
ニコッと笑う銀花につられて、柳生もニコッと笑う。

「ほいっと」
自分より背の高い、柳生からメガネを取ると、えへへと彼女は笑った。

「ね、柳生先輩」
その口調はいつもと同じ。
「銀花は、大丈夫ですよ」
柳生は、ぼやけた視界で、彼女が泣いているように見えた。

でも、メガネを直ぐに掛ければ、彼女は笑顔。





嗚呼、昨日よりもっと、もっと、強くなっている。


***[屋上]


「いった」

ふぅ、とゆっくり息を吐くと、空を見る。

青く蒼く、何処までもずっと続いている空。

「向日葵が、見たい」

意味はない。思い出があるワケでもない。

ただ、この間、花屋の前を通った時の向日葵が忘れらない。

何だかよく分かんないけど、キラキラして見えた。

他の花と変わんないのに。

別に、目立つ場所に置いてあったワケでもないのに。

次の日、買おうと思って行ってみれば、一本だけ残って後は売り切れ。

嗚呼、“君達”は人気者だね。

なんて、馬鹿みたいに、“あの人達”と重ねた。

残っていた一本は、もう枯れそうだったけど、でも、良いんだ。

「あの売れた向日葵が彼らなら、銀花の買った向日葵は銀花だね」

空に言ったって、返ってこない。

そんなの、知ってんだよ。

ずっと、ずっと、前からさ。

でも、銀花は迷惑なんだって。

みんなの傍に居ると、邪魔なんだってさ。

イラナイって。

枯れた花はゴミバコ行き。

嗚呼、きっと、銀花はそんな状況だ。

なんて、捨てられた花を見て、ふいに思った。

そんなコト他の人になんて言えないけど。

仁王先輩だって、本当は銀花が好きじゃないんだよ。

ねェ、なのに何で守ってくれる??

そういうのが、一番辛いんだ。

同情?? 哀れみ?? 気遣い??

そんなのイラナイよ。

銀花は強いよ。









































「強いんだ、もんっ—————————————————————————————————」
































“紅蓮ー。どーして、紅蓮はずーっと笑ってるの??”
“ん?? 銀花は楽しかったら笑わないのか??”
“笑うよ!! でも、紅蓮は楽しくなくてもずーっと笑ってるよ??”
“あー、うん。まぁ、な”
“ねー、どうして、どうして??”








































































“……、笑ってたら、俺が辛くても誰も分かんないだろ?? だからだよ”









































































































































































君の言葉の意味が、この状況になってから、やっと分かった気がするんだ。