二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: Chapterⅱ ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.297 )
日時: 2011/06/09 00:11
名前: うっさー ◆OOs7K0umK. (ID: RAGGUceS)
参照: 君の知らない場所で。


*+第三十三話+*


「結局、一人だな」
朔夜は小さく呟いた。
“そんなコト言われなくたって、分かってるよ”
少しイラついた様子で、輪廻は言う。

「輪廻。お前も分かってんだろ」
朔夜の言葉に、何も言わない輪廻。
「そろそろ、潮時だぜ?? お前と俺の関係も。他のことも」

知ってる、

知ってるからこそ、

嫌なんだ。

“馬鹿だね、朔夜”

だから、

わざと、

君を見てないフリをする。

「んだと??」

もう、

“私と貴方は絶対に離れない”

戻れないのだから。





“—————————————————————————————絶対に、私はお前を離さない”





***


「話、ってなんじゃ」

テニスコートが見える高台で、銀髪と紅色の二人っきり。

「え、いやぁ、まぁな」
濁す彼女に、彼は眉を寄せた。
彼の何歩か前に歩いてる彼女は、表情が読めない。

「言いんしゃい」
キツイ言えば、彼女の足取りは止まる。
そうすると、必然的に彼の足も止まった。

「あー、こういうの柄じゃないんだけどなぁ」
苦笑い気味の彼女に、彼は不思議そうにする。
「言わんと分からん」
彼が言えば、“だよなぁ”と呟いてから、いきなり振り向いた。

「俺が前に言ったことは、本当だから」
真っ直ぐ、それでいて悲しそうに。
彼はそのとき、彼女はこんな顔、も出来るのか、と思う。

「でも、もうそれも終わり」
彼が返事をしないうちに、彼女は下を向く。
「何でじゃ」
ゆっくり聞けば、彼女は彼を見た。

「もう俺の“器”も限界だ。本人がそれに気付いてない以上、俺が」

ふぅ、と一拍置いてから、彼女はいつも通り口角を上げて言う。





「——————————————————————————————俺が、消えるしかないだろう??」





何故何故何故、

彼女は笑ってられる。

消えてしまうのに、

居なくなってしまうのに、

彼の頭の中でそんなことだけが、繰り返される。

「悪いな、仁王。でも、これだけは言っとこうって思って」

彼女は“じゃあな”と呟いて、彼の横を通り過ぎる。

「悪い、な」

彼女はもう一度言った。

別に、此処が嫌いなわけじゃない、

でも、

アイツが消えてしまうなら、

俺が消える方が良いだろう??

アイツを思ってくれる連中はたくさん居て、

俺がこっちに出てる意味なんて、

最初から、無かったんだ。

そう思うと、

なんか、胸らへんが苦しくなって、

馬鹿馬鹿しく思える。

なァ、

輪廻。

お前は、

幸せもんだよ??

だから、これ以上、

我が侭言うなって、

みんな困っちゃうから。




















「———————————お前を好いていた、だなんて…。俺は一体、どうしちゃったんだろうな??」





アイシテル、なんて。

俺らしくもない言葉で、馬鹿馬鹿しく思えた。