二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: Chapterⅱ ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.33 )
日時: 2010/09/15 00:45
名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
参照: 例エ、君ガ見テイナクテモ。

*+誕生日番外編+*


「向日さん、お誕生日おめでとうございます」

今日、9月12日は向日岳人の誕生日である。

朝からこの調子で、岳人も何十回目かの笑顔を貼り付けた。

「サンキューな!!」

こうしてれば、キャー、と悲鳴が上がり煩くなるのをご存知であろうか。

「岳人、顔引きつってんぞ」

そう言って現れるのは、宍戸亮。
因みに、彼も今月誕生日である。

「うるせー、黙ってればバレねーよ」

そう小声で言えば、女の子が現れる。

「バレバレですよ。侑士さんみたいにすれば、バレないでしょうけどね」

ニコッと、いつものような笑みで。
そのコが現れた瞬間、向日の頬は自然に緩む。

「那紅埜!!」

パァー、っと明るくなる顔。
お前は、ジローか。と宍戸は内心、突っ込む。
だが、本人は気付いていない。

「向日、デッカイ声出してんじゃねー。此処は、廊下だ」

そこに居るのは、跡部や3年レギュラー。
一瞬にして、向日のテンションは下がった。
と言っても、跡部は気付いていないだろうが。

「今日の練習はナシだ。その代わり、俺様の家でパーティーをする」

またか、と思った人は何人居ただろうか。
だが、

「やったやった!! 羊出よねー、跡部」

ニコニコ笑うジロー。
因みに、主役はこの可愛い子犬(子羊とも言う)ではない。

「ジローさん?? 今回の主役は岳人さんなんですよ」
ニコッと笑って見せれば、縮こまるジロー。
「ね、岳人さん」
同じ笑みを見せれば、「お、おう」とどもりながら言う岳人。


この光景を見て、何人もの人が“初々しい”と感じただろうか。


まぁ、何人思ったか分からない。

だが、宍戸・忍足は決定的だ。

「おい、さっさと戻るぞ。あぁ、それと“三波”」
那紅埜を苗字で呼ぶのは、たった一人しか居ない。
「何ですか、跡部さん」
いつも通りの笑み。





「放課後、向日が迎えに行く。それまで、教室で待ってろ」




全員が固まった瞬間でもある。

やはり、思う。

この人は、色々な意味で凄い、と。

「えっと、でも、迷惑じゃ…」
申し訳なさそうに、那紅埜が言えば、岳人は笑う。
「大丈夫だって!! じゃぁ、放課後なっ」
手を振りながら、教室に入ってく彼を見て、那紅埜も笑った。


***[那紅埜視点]


どっかの誰かが言ってたっけ。

“幸せ”は永く続かないって。

「聞いてんの??」

目の前の相手を睨み付けながら、立ち上がる。

「聞く必要のない話は聞かないコトにしてます。先輩方」

もう、慣れた。

そう言ったら嘘になるけど、真実でもある。

仕方ない。

もう、





慣れた。






その瞬間、教室の扉が開いた。

***

「おーい、なく…。お前ら、何してんの」

ガラッと扉を開けると、岳人は止まった。

「っ!! 行こっ」

その子と仲間が出て行くと、岳人は那紅埜に駆け寄る。


「あはは。見せるつもり、無かったんですけど、ね」
苦笑いをしながらも、那紅埜は笑顔を保つ。
いつも通りに、いつも通りに、と。

「那紅埜…」
岳人が心配そうに名前を呼べば、ニコッと笑う。

























「大丈夫、大丈夫ですから。……、早く行きましょう?? 皆さん、待ってるはずですよ」

































那紅埜は岳人の手を持ち、少し速めに歩く。





















「おい、那紅埜」


岳人が名前を呼ぶと、那紅埜は歩くのを止め、振り向いた。



























先程よりも、美しく、優雅に—————————————。


















「岳人さん、お誕生日おめでとうございます。これからも、宜しくお願いしますね」

































































———————————————————天使のような君に、恋をする。