二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: Chapterⅱ ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.70 )
日時: 2010/11/03 01:42
名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
参照: 大好き、なんてのは言わないし、言えないけど。

※これは、輪廻が氷帝生です。
 仁王×輪廻の番外編でもあったように、嫌われ要素ありです。
 那紅埜→1年マネ。唖李栖→1年 輪廻のコトは兄弟愛。

*+番外編+*


「りーんーねー!!!」

この声が廊下に響いた途端、真ん中で歩いていた人は端による。

「げ」
輪廻は走るのだけど。
「逃げないでよー!! 輪廻、っとつっかまえったー」
えへへ、とニコニコ笑いながら、唖李栖は輪廻へダイブ。

「仲ええな。相変わらず」
胡散臭い笑顔でやって来たのは、忍足。
「良いな、良いな!! 俺もやりたEー!!」
ジローは樺地に担がれながら、ジタバタ。

「何言ってるんですか!! 輪廻にダイブして良いのは、僕だけですよ?!」
離れながら言えば、輪廻はニコニコ。
「アンタも駄目に、決まってんでしょ!!!!」





人の手で、人の頭を叩く音が響いた。





***

彼女達は、目立つが故に目を付けられる場合もある。

良い意味も、悪い意味も含めて。

だけど、

「私、何言われようと絶対に辞めません」

彼女は強い目で言う。

「いたたた。はぁ、手加減なし??」

特に、痛い表情は見せないのだが。


そして、また放課後はやって来る。


***[教室]


「きゃっ!!」
ガンと押されて、床に倒れるのは那紅埜。

「那紅埜!!」
2年も上の人達に那紅埜が勝てるわけもない。
此処は、お嬢様学校なんだから。

「アンタいい加減に辞めなさいよ!!」
「下級生のくせにでしゃばらないで」
「本当は、みんなだって迷惑してるのよ?!」

最後のは、那紅埜に効いただろう。
“嘘”だとしても、那紅埜には、ツライ。

「マネージャーは使えない、って言ってたわよ」
これも、
「いつも一緒に居てムカつくって」
これも。

嘘、だろうが関係ない。
彼女を不安にさせるコトは容易いのだ。
輪廻だって、唖李栖のコトを言われたら凄く不安になる。

「那紅埜、全部、嘘よ。だから、っ!!」
話している途中で、那紅埜の方へ無理やり押された。
「ったー」
小声で呟けば、手を見る。

「輪廻、大丈夫…??」
少し笑顔が頼りないが、“まだ”保っている模様。
「跡部さん達が、私達を気にする前に片付けなきゃ」
輪廻には、次のことしか頭にない。

「跡部様達はね、アンタら2人の相手なんかしてられないのよ!!」
「唖李栖くんと兄弟だから仲良くしてる、ってのも気に入らない」
「あの人たちはね、アンタ達とは違うのよ!!」
「だから、さっさと辞めなさいよ!!」

そういえば、さっき、廊下がバタバタと何人かの走っている音がしていた。
此処に居る人達は気付いていないだろう。





ほら、彼は直ぐ其処に。





「あー、もう。いい加減にしてくれません??」

輪廻は立ち上がると、めんどくさそうに言う。
いや、めんどくさいんだろうが。
周りは「は??」みたいな顔。

「何時までも、“何もしない”なんて思ったら、大間違いだよ。
 この私が、何も出来ない?? 笑わせないで。
 唖李栖と双子だよ?? ねェ、何も出来ない、ワケないよね??」

ニヤリ、と笑う。
双子の彼は、此処に来て直ぐ、テニス部の先輩と揉め事を起こした。
その事件を、知らない人はこの学園に居ないだろう。

「後さ、あの人たちは“普通の人”だし、別世界なんてあるわけないだろう。
 人をモノみたいに扱ってさ、そういうのが、一番ムカつくんだよね。
 まぁ、人のこと言えないけど」

彼女はそこまで言うと、窓を開ける。
行き成り、開いた窓からは冷たい空気を一気に教室へ入れた。
因みに、此処は二階だ。

「私達が一番、跡部様を想ってるわ!!」
「貴方なんかに分かるわけないでしょう!!」
「だから、さっさと辞めなさいよ」

そう言えば、彼女は笑った。

「想ってる…?? 貴方達のは“恋”じゃなくて、“憧れ”だ!!
 私は、そんなモノ分かりたいとも思わない。
 それに、」

そこで区切れば、勝ち誇ったように笑う。





「跡部さんを好きな気持ちは、誰にも負けない。負けるつもりもないけど」




ほら、彼女はこんなにも強く笑い、輝く。

「本人に言うと、調子に乗るから言わないけど」
その瞬間、教室の扉が大きい音を立てて開いた。
輪廻は驚くが、直ぐに笑う。

「遅すぎじゃない??」
「あんな意味不明なメールするからだよ」
そう言って、肩で息をするのは唖李栖達。

「じゃぁ、私は帰るから」
と言うと、窓の淵に乗る。
周りが驚くのも気にせずに。

「唖李栖」
「何、輪廻」
「今日は、学校の話したら、ぶっ飛ばす」
「えー!!」
「じゃぁ、そういうコトだから」

重力によって、ふわりと輪廻の髪が舞った。

「さて、と」
さっきまでニコニコしていた少年は居ない。
「僕さ、輪廻にしか良いカッコ出来ないんだよ」
ニヤリ、と笑えば、周りが引くのを感じる。





「俺の、大切な“お姉さん”に何してんの??」





ほら、跡部さん。































輪廻のこと、任せましたよ—————————。





***


「ふぅ、此処まで来れば、って跡部さん?!」
輪廻の目の前には、息を少し切らしている跡部。
「さっきの話、本当か」
跡部が言えば、“聞いてたのか”と言う感じの輪廻。

「どうだと思います??」
輪廻はニコッと笑う。
「さっきのが、本当だったら俺様は嬉しいが??」
跡部が言うと、「は??」と輪廻の声。

「だから、




































 ————————————さっさと俺様の女になれ」


















“大好き”なんて、





可愛いコトなんか言えないし、





「仕方ないなァ…」





言いたい、なんてのも思わないけどさ。





「じゃぁ、私からも」





今回だけは、











「大好きですよ、跡部さん」






















































————————————特別に、言ってあげる。