二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: Chapterⅱ ●テニスの王子様 and テニスのお姫様○ ( No.82 )
- 日時: 2011/01/12 23:58
- 名前: うっさー ◆8.9xsVkhDE (ID: HnQQx7lG)
- 参照: モウ、脱ケ出セナイ。ソレハ、中毒ノヨウニ絡ミツク。
*+第十一話+*
「悪い、な」
仁王の背中に乗っている、朔夜が言う。
「こんぐらい、何ともないぜよ」
正確には、仁王におぶられている、朔夜。
「さっきの奴とは、知り合いか」
仁王が聞けば、ニヤリと少し朔夜の頬が緩む。
「いや、“知らない”な」
ビクッと、仁王が反応した。
嘘つき。
なんて、思われてるんだろうな。
「でも、仁王。俺達は、似たモノ同士だ」
「お前さんと俺が…?? は、冗談は止めんしゃい。面白くないぜよ」
朔夜は仁王の言葉を聞いて、“いや、”と言葉をつなぐ。
「自分の偽ってるところ、とかソックリだろ?? ま、偽ろうが俺は俺だが」
朔夜が吐き捨てるように言えば、“そーか”とどうでもよさそうな声。
「あぁ、仁王。そんなに退屈なら、俺の話を聞いてくれるよな。よし、話すぞ」
と、言って彼女は話を進める。
「お前も、愛に飢えてるだろ」
朔夜の放った言葉は、もう爆弾並だった。
しーん、と静まる一瞬の世界。
それでも、彼女は喋る。
「だけど、お前は“仲間”ってやつの“絆”で埋めることが出来たんだ。
でも、ある日、その“仲間”の一員に女子が入ってきた。
察しの良いお前なら分かるだろう?? “瀬戸内 銀花”だ」
相手は何も言わずに、歩み続ける。
「見ただけで分かるよな、あの2人の関係は。
“幼馴染み”だけど、好き同士だ、ってことぐらい。
まだ、その時までは良かったんだ。
だけど、
その2人の中に、
“切原 赤也”も入りだした」
ビクッと、彼の肩が揺れたのを、朔夜は見逃さない。
「あーあ、大変だ。部活に、先輩後輩に支障はなくても、それでも。
お前は埋めるモノがなくなった。
ま、メンドクサイ話は此処までにして…。
今のが、理由だろ?? 銀花の“虐め”を他のメンバーに言わなかったのは」
初めて、仁王の足が止まった。
「————————————なァ、」
朔夜は返事を聞かずに、続ける。
「お前が“誰か”に愛されたい、と思ってるのなら、
“俺”が、
その“誰か”になってやるよ——————————」
そして、息を吸うと、彼の耳元で囁く。
「なァ、
“雅治”
—————————————————愛してるよ」
————————それは、“アリ地獄”のように、
一生、抜け出せない————————