二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.28 )
- 日時: 2010/08/30 13:08
- 名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)
暴走する世界。
真っ白になった——黒き世界。
—Flame,12— サヨナラ
炎が夜空に煌く。
二つの炎が交差して、音が鳴り響く。
何も無いはずの真っ暗な空間に反響して、耳を掠めた。
「何でアンタ攻撃してこないのよ!もしかして怖気づいたとかァ?キャハ!」
「・・・」
俺は夜空に飛び交いながら、思い出す。
夜空の炎を一点に集中しながら飛ぶ。
「・・・行くぞ」
地面に降りて、炎を集中させる。
「!?」
「零地点突破・初代エディション」
周りの空気が凍り、周りを凍らせた。
その結果、アリーナの足は固まる。
「!クッ・・・」
◆
「零地点突破だと!?」
「アイツ、使えたのかコラ!」
「・・・」
『数年前———俺はザンザスを裏切った』
そんな言葉が頭を過ぎった。
リボーンはツナの表情を見て、顔を歪めた。
(ほとんど判ってるんだな)
ツナは本能で、ほとんど判っているはずだ。
(何時か、ツナは自分が空を裏切る事を、な。だが、同時に覚悟を決めているはずだ)
◆
「・・・」
「アンタなんかにリングを奪わせない!」
そう叫んで拳銃を地面に向け、撃ち出して飛ぶアリーナ。
俺は構えを取って、拳銃を持った手を掴んだ。
「な・・・」
「零地点突破・初代エディション」
「あ、がぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
手から全身が凍り付いていく。
俺は手をゆっくりと離した。
「・・・」
半分に欠けたリングを、俺は一つにした。
「まだよ!」
——ドンッ
——ドスッ
拳銃から銃弾が飛んだ。
俺の背中にぶつかる。
「空!」
ツナの声が耳を突いた。
俺は脚を地面に立て、歩き出す。
「アンタにリングを取られるなら!私はボンゴレをぶっ潰す!」
——潰す?
何を?
———ドクッ———
鼓動が胸を叩いた。
「・・・」
「許さない!ザンザスを裏切ったあんたなんか!」
(裏切り、)
「 」
涙が頬を伝う。
(自我が、持たない)
「————」
俺は、満面の笑みを浮かべて、ツナを振り返った。
「・・・ツナ、有難う」
「・・・え?」
俺は、炎を一気に燃やした。
(そうなるくらいなら、未来を———)
「サヨウナラ」
その言葉が、鍵。
◆
『初代夜空の技、でござるか』
『あぁ、きっと、アイツなら本来の未来を見つける』
『彼女、ソックリだからね』
『あぁ』
『だが、試練はきっと辛いもの・・・それを乗り越えられるかな、デーチモ』
『・・・あいつの技は、本来は試練を与えると言う技だ。それも・・・記憶を消去するという大技だ』
—コツンッ
暗い空間に、靴の音が反響した。
『・・・つれてきましたよ、』
『あぁ、すまないな。デイモン』
少女は——笑った。
『・・・久し振りだな』
◆
(感づいてたんだ)
俺は真っ白になる意識の中で、呟いた。
(全てが壊れるくらいなら、裏切られるくらいなら。俺の記憶を消して、彼等の未来に繋ぐもう一つの世界にしようと)
ゆっくりと、目を閉じた。
◆◆◆
状況説明です———。
空はアリーナとの戦いで未来を予知したんですね。
未来———つまりはツナに裏切られる未来。
それが怖くて、初代夜空の最後の技を使ってツナたちの自分との記憶を消去したんです。
———まだ続きますんで、お付き合いお願いします。