二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〜Flame of mind〜—心の炎— 【REBORN】 ( No.35 )
日時: 2010/09/06 21:57
名前: 人間不信 (ID: uT5MQLCg)

——記憶が、偽りから真実へと変わる。



—Flame,16— ディスザエンド


「沢田綱吉君、俺は絶対に勝つ」

俺はニッと笑って言ってみせた。
手に黒いグローブを嵌めて、夜空のボンゴレリングを指に通した。


——ボァッ


黒き炎が燃え盛る。

「知ってるか?本当の、夜空の守護者の使命を」
「・・・?」

ソレは——知らないだろう。

俺が最後まで明かさなかったのだから。

「それは、大空を包み込み全てを守護し、自らの死をもってしても、大空を守る大空の影の存在・・・ソレが、夜空の守護者だ」

俺は、黒い炎を燃やしながら、静かにそう言った。

「ブロッサム。お前は俺の守るべき物を壊そうとした。よってお前を死を持って排除しよう」


——今なら、怖くない。


(皆忘れている今だからこそ、戦うべきなんだ)


俺は炎を一点に集中させ、一気に燃やす。

「な、何っコレッ・・・」
「俺が敵視するもの全てを零に返す———」
「そんな事がッ・・・」
「究極奥義、零夜」



                                —レイヤ—



体の奥が、暑くなった。
涙が頬に伝う。
俺は、振り向いて笑って見せた。
ツナは、呆然と俺を見ている。




                             「  サ ヨ ウ ナ ラ  」




「!」

ツナは咄嗟に俺に近づいてきた。
あぁ、駄目だ。
もう我慢ができない。
俺は涙を流して、それでも、笑って見せた。

「そ、ら」

「サヨウナラ、ツナ」

「駄目だ・・・」

ツナはギュッと拳を握って、気が付いたように顔を上げて俺を見た。
そして手を俺の体にかざし———。

「零地点突破、初代、エディション・・・!」
「・・・ツナ」

俺は凍り付いていく体を感じながら、涙を流して最後に笑った。

「・・・空、お前が消えるくらいなら、俺は」



                           『お前が消えてなくなるくらいなら、俺は』



「俺は、俺の手でお前を守る」

「・・・同じ事言わないでよ」

俺は、スゥッと目を閉じた。
そして、指輪だけがスルリと抜け落ちる。

「・・・何で今更思い出すんだよッ・・・畜生、畜生ッ・・・」

もっと早く、思い出していればこんな結果に終わらなかったのか———?







(全ての終焉)