二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: [銀魂] 刀を持った桃太朗 ( No.5 )
日時: 2010/08/22 19:34
名前: 偉薔薇 ◆aWifV7VEAQ (ID: w7/ouF32)

 プ ロ ロ ー グ


暑ィ。
暑さが日増しに厳しくなり、ミンミンと蝉が煩く鳴く8月のある日。
銀時は、川へと向かって一人歩いていた。

今まで何をやっていたかと言えば、何時も同様桂や高杉、坂本と共に剣術を励んでいた。
しかし、戦などには動じない自分達だが、此の暑さには流石に皆敵わなかったらしい。
皆それぞれ休憩をとっている。

(ヤベェ、ヤベーよ。何か頭痛ェしフラフラするし目眩すらして来やがった)
太陽の刺すような光、体力を奪う此の暑さ。
銀時は此の暑さにやられたか、目眩や頭痛が酷くなって行く。

(……あー、取り敢えず水だな。脱水症状だよ此れ)
銀時は、手でパタパタと自分を扇ぎながら重い足を動かす。
きっと此の体の異変は、すべて此の暑さの所為に違い無い。
早く川へと向かい水分補給をしようと、汗を流しながら歩いて行く。

(……あ、やっと着いたか)
どれくらい歩いたか、数分か数時間か時間が正確に解らない。
そんな中、ようやく視界に川が入って来る。
銀時は川へと近寄り、持って来た水筒を手に取り、水を汲む。


「……あれ?」


筈だった。
水筒を川の中に入れた其の瞬間、視界がぐるぐると回り始めた。
目を回す、とは言うが、自分から回ってもいないのに視界が回るのは初めてだ。

(あ、何かもう平衡感覚無くね?)

そう思った瞬間、銀時の視界は真っ黒に染まる。意識が途絶えたと、理解せぬ侭に。
銀時の体は其の侭、川へと傾く。
バシャンと大きな音をたて、川の中に落ちてしまった。