二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 木と蝶と小夜曲*REBORN ( No.14 )
- 日時: 2010/09/15 23:04
- 名前: 涙水 (ID: m6In2EsU)
【第2話*赤茶の跡を辿って】
「あっ、着きましたよ。10代目」
獄寺が差す方向には野次馬の人だかりができていた。
「す、すみまっ…せん」
ツナが人混みを掻き分けていくと、えぐられた塀と電柱が目に入る。
両方共コンクリートで出来ているのだから、ここまで破壊したとなると相当な力が加わったのだろう。
「…っわ。っとと…」
眺めていたら誰かに押されてしりもちをついた。
慌てた獄寺に大丈夫ですかと言われながら、手をかしてもらい立ち上がる。
ふと視線を動かすと、地面に赤茶の点がぽたぽたと落ちているのに気がついた。
「何だろうこれ……血みた…」
「血だぞ」
ツナが言い終わる前に口をはさんだのはリボーン。
地面に片足をついて赤茶の点を指でこすっている。
「結構乾いているな。
昨日の晩あたりのついたものに間違いねーな」
「この血、続いてる……。並盛神社の方角ッスね」
リボーンにならって地面の血を確かめていた獄寺が言う。
「この血、爆風と何か関係があるのかもしれない……。
跡を追いましょう10代目!」
「あ……うっ、うん!」
獄寺につられてツナも走り出そうとすると、
「よう、ツナに獄寺!
小僧もいるのか? 日曜日に会うなんて珍しーな!!」
明るい声と共に現れた少年は山本武。
短い黒髪に長身の彼は、ツナ達が通う並盛中学の野球部のエースだ。
そして並ではない運動神経と類い稀なる剣の才能を兼ね備えており、獄寺と同様ツナのファミリーの一員でもある。
ちなみに獄寺が嵐の守護者で、山本が雨の守護者だ。
しかし彼はボンゴレファミリーのこともマフィアのこともいまいち分かっていないので、危機感などが皆無なのである。
「山本こそどうしてここに?」
「俺はこれから野球部の練習でさ。
学校行くついでに、昨日起きた事件の現場を見に来たんだ。」
「山本も? 俺達もなんだ。
それでこれからこの血の跡を追うんだけど……」
「血?」
ツナが指差した先を見て山本が眉間に少しシワを寄せた。
「穏やかじゃねーな…。
よしっ、俺も一緒に行くぜ!」
「えっ?
でも山本これから部活なんでしょ?」
慌ててツナが言うが、
「こまけーこと気にすんなよ!
部活は10時からだし、まだ1時間ある。間に合うって!」
「そうですよ、10代目!
野球バカの事情なんて知ったことじゃありませんよ!
早く行きましょうっ!」
「本当どんくさいな、ダメツナめ」
「わっ、ちょっと待って!!」
獄寺と山本にせかされ、リボーンに罵れたツナも彼らと一緒に赤茶の跡を辿った。