二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 木と蝶と小夜曲*REBORN/第6話更新 ( No.34 )
日時: 2010/10/27 21:12
名前: 涙水 (ID: x4/cZS5I)

 【第7話*というわけで留学生】


「はじめまして、成瀬譲葉です。
 これからよろしくお願いします!」

なぜ私が前々回に引き続き自己紹介をしているのかというと、それは今朝の出来事から始まって、




「ねぇ、譲葉ちゃんも並盛中学に通ってみるのはどうかしら?」

週初めの朝食の席で、奈々が言った。

「譲葉ちゃんが来てもう一週間になるのよ?
 ここの生活にも慣れてきたみたいだし、ツッ君と一緒に中学校に通ってみましょうよ。
 もしかしたら、記憶を取り戻す手がかりとか見つかるかもしれないわ」

楽しそうに奈々が言うと、

「えっ、私はいいですよ!
 綱吉君に迷惑がかかってしまいますしっ」

卵焼きにのばした箸を引っ込めながら譲葉が応える。

「いーじゃねーか。
 そのナリで留学生でも装えば、学費も免除になるしな」

リボーンが指しているのは、譲葉の金髪と翡翠色の瞳のことだ。
確かに日本人には見えない外見をしていることは、己が一番分かっている。

「リボーン君もそう言ってるんだし、どうかしら?
 もちろん、ツッ君もいいわよね?」

「俺は別にいいよ。
 俺のダメっぷりはもう譲葉にばれてるから、今さら学校での姿見られても変わらないしね」

ツナが苦笑する。

「で、でもっ」

「いいなぁ、ゆず姉。
 僕もツナ兄と一緒に中学校行きたいなぁ」

沢田家の居候のひとりである少年、フゥ太がうらやましそうに言うと、

「ガハハハッ、ランボさんだって行くもんね!」

口から米粒を飛ばしながら言う子供の名前はランボ。
リボーンの命を狙ってこの町にやって来て、いつのまにか居候のひとりになっていたボヴィーノファミリーのマフィア(5歳児)だ。

それを窘めているのがイーピンという名前の、餃子拳という拳法を操る子供。
現れた当初はツナのことを暗殺する相手だと間違えた程の近眼であったりする。

「家事なら私が手伝うから大丈夫よ」

譲葉に向かってそう言ったのは若い女性。居候のひとりでビアンキという名前の彼女は、毒料理を武器にフリーで殺し屋をやっていたリボーンの愛人らしい

「あの、えっと……」

「早速学校に連絡しなくちゃいけないわね!
 学校の電話番号どこに書いてあったかしら」




というわけで、今(現在)に至る。
前と違うところと言えば、私が中学校の教室にいることと、目の前にいるのが綱吉君と同じクラスの生徒であることぐらいだろうか。

「成瀬はイギリスからの留学生だそうだ。 今は沢田の家にホームステイしている。 みんな仲良くしてやってくれよ」

まさかその日から学校に通うことになるなんて……。
奈々さんの手際のよさ、なめてたかもしれないなぁ。

担任の話を聞き流しながら譲葉は思考を巡らせる。

綱吉君の家に置いてもらってもう一週間、いろいろと先延ばしにしてるからそろそろ動き出さないとだめだよね。
携帯なくしちゃったから汐璃ちゃんや日向ちゃんとも連絡とれないし……。

うんうん唸り出した譲葉の思考回路を閉じたのは、担任が口にした自分が世話になっている少年の名だった。

「じゃあ成瀬の席は沢田のとなりな。
 沢田ー、成瀬に教科書見せてやってくれー」

慌てて譲葉がツナの方を向くと、彼はいつものように頼りなさげな笑みを浮かべている。
それにつられたように譲葉の顔も綻んだ。