二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 木と蝶と小夜曲*REBORN/第17話更新 ( No.76 )
- 日時: 2011/02/04 22:22
- 名前: 涙水 (ID: VzZBhHeS)
【第18話*繋がりだす人々】前編
——真夜中の並盛町。
「白ウサギー、帽子屋から連絡入ったぜー」
暗い紫色の髪をした青年が呼びかけたのは、白い髪の少年。
「何てー?」
「例のお嬢ちゃん達に接触して、招待状渡してこいってさ。
アリスからは〝半殺しまでならあり〟っつー許可が下りてまーす」
緊張感のない返事に、緊張感のない言葉を返した。
「りょーかいっ。それじゃあ……」
白髪の少年の瞳が鈍い光を燈す。
「開幕(復讐劇)への招待客に会いに行こうか————」
≠
——夕暮れの並盛中資料室。
「うー、全然見つからないぃぃぃ」
槇日向は頭を掻きむしりながら、書類の束を投げ出した。
バサッと音を立てて床に落ちた紙は、反動で舞い上がる。
「ねぇ、本当に君が探してる子が、ここに(並中)いるの?」
日向が投げ出した紙を拾い上げながら、不機嫌そうな顔をした雲雀恭弥が問う。
「失礼なーっ!
この辺りに来てるのは確かだもんー!!」
うがーっ。
字に表すとしたらそんな感じに、日向が暴れる。
「まあまあ、槇さん。落ち着いてください。
まだ探し初めて2日目ですし、見つからないのは仕方ないですよ」
そう言ったのは、草壁哲矢。
委員長がやるなら私もやりますよ、と彼も資料室で日向の捜し人の手がかりを探してくれている。
「そういえば委員長と槇さんって、どんな人物を捜しているんですか?
名前が成瀬譲葉だということは聞きましたが……」
「あれ? 草壁さんには言ってなかったですっけ?」
何故か草壁には敬語を使う日向。
雲雀には使わないのに自分には使うことを、草壁が内心ヒヤヒヤした思いでいることを元凶(日向)は知る由もない。
「あまり人に知られると困るので、他言無用ですよー?
譲葉は金髪で翡翠色の瞳をしてます。
身長は私よりほんのちょっぴり小さくて、あとー、鈴付けてます。
正確には首から下げてるんですけど、よく鳴る鈴でどこでも鳴るから、とことん隠密行動には向いてなくて……」
だんだん話がそれている事に気付かずに、楽しそうに日向が話すのを見て、雲雀は満更でもないように苦笑を浮かべる。
「金髪……?
そういえば数日前に、金髪の留学生が2年に来たって聞きましたね。確か女子生徒だったような……」
草壁が拳を顎に添えながら呟く。
日向の目が見開かれた。
「留学生? 僕は聞いてないけど。
でも留学生なら、個人情報はここ(資料室)にはないよ
それにこの時間(夕方)だともう下校して……っ日向!」
雲雀が叫ぶのとほぼ同時に、日向が資料室から飛び出した。