二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 木と蝶と小夜曲*REBORN ( No.9 )
日時: 2010/09/03 18:08
名前: 涙水 (ID: yxu7BdpM)

 【第1話*風に導かれて】


「はぁ〜。
 せっかくの日曜なのに、なんで買い出しに行かなきゃいけないんだよ」

悪態をつきながら、とぼとぼ歩く少年がいた。
明るい茶髪に大きな瞳で、冴えない印象の少年は名前を沢田綱吉さわだつなよし、通称ツナという。
こう見えても裏社会を牛耳る巨大マフィア、ボンゴレファミリーの10代目候補であったりする。

「しょーがねーだろ。ママンは忙しいんだ。
 おつかいぐらい黙っていきやがれ」

少年の横を歩く小さな赤ん坊が、小型の拳銃をツナに向ける。
外見に不釣り合いな口調の赤ん坊の名前はリボーン。
普通に二足歩行をしていて、黒い帽子に黒いスーツを着ていた。おまけに帽子のつばにはカメレオンが乗っている。
こう見えて実は一流の殺し屋で、いろんな意味を含めてツナの家庭教師をやっていたりする。

「うわぁっ、銃向けるなって!」

ツナが悲鳴を上げて身体をのけ反らせる。それとほぼ同時に、彼を呼ぶ声が聞こえてきた。

「10代目ー!」

灰色に近い銀髪で、ツナのことを¨10代目¨と呼ぶ少年の名前は獄寺隼人ごくでらはやと
不良っぽい性格と見た目とは裏腹に、頭はかなり良いという変わった少年だ。

そして彼の指に光るのはボンゴレリングという、マフィアボンゴレの幹部ファミリーが持つリング。
獄寺はツナのファミリーの一員で、つい先日このリングをかけてファミリーの仲間達と共にウ゛ァリアーという集団と戦った。
結果は勝ちに終わり、ボンゴレリングはツナ達のものとなった。
それを喜ぶ者も嘆く者(主にツナ)も、どうでもよい者もいる。

「おはよう、獄寺君」

「おはようございますっ!
 こんなところにいるってことは、10代目も見に行くんですか?」

「いや、母さんに買い物頼まれただけなんだけど……獄寺君は何を見に行くの?」

妙にテンションの高い獄寺に、ツナが尋ねる。

「昨晩に突然起きた爆風の現場を見に行くんですよ。
 なんでもすごい風だったらしく、近所に被害もでてるらしいッスよ。
 これはまさしく地球外生命体の仕業! 未確認動物UMAッス!!」

獄寺は重度のオカルト好きでもある。

「現場は並盛神社の近くらしーぞ。
 お前は爆音がしても起きなかったけどな」

「リ、リボーン…! 知ってたのか!
 じゃあ買い出しについて来たのは、その現場を見に行くためっ?」

「ニッ」

効果音がでそうな笑いをするリボーン。

「………」

どうりで暑いのに買い出しについてきた訳だよ……、とツナは納得しながら溜息をついた。