二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナズマイレブン 黒田エリの好きな人 ( No.67 )
日時: 2010/09/19 17:12
名前: 紅花 ◆iX9wdiXS9k (ID: geHdv8JL)

 第三十四話 お陽さま園
 
 *
 ただいま、ヒロト。
 *

「あっ……緑川。どうしたの?」

 ちょっとびっくりして、目の前にいる人を見つめた。
 柔らかい緑色の髪を結ばず垂らしている。
 大きなバッグをもっている。
 ここはお陽さま園。瞳子お姉さんのお手伝いしてたんだけど……。
 
「ただいまヒロト」

 そう言って靴を脱ぎ、そろえて中に入ってゆく。
 ちょっと、待ってよ。
 追いかける。今入ったら、あぶないんだよと言ってあげたかったが、
 遅かった。

「あちゃ〜」

 さっそく女子に捕まっている。
 きゃあきゃあ騒ぎながら、緑川の髪を弄る女子。
 緑川は男子の中では二番目に髪が長い。
 そして緑川はお陽さま園で、一番弄りやすい。
 治だったら絶対睨みつけてそれで終わりだっただろうから。

「髪の毛結ばなかったなんて、私達に遊んでもらいたかったの〜?」
「マキいなくて残念よね〜」
「リュウジの髪の毛はほんとに柔らかいっポ。こんどは三つ編みにするっポ」

 緑川が泣きそうな顔でこっちを見た。
 子犬みたいなうるうるの目で見られると、知らん顔してられない。
 
「ヒロトぉ、助けて」

 俺は回りにいる人たちを見た。
 周りにいる男子達と玲奈のしていることは、無視、もしくはからかう。
 ああだめだ、広夢なんかヘアゴムたくさんもってきた。
 
「玲奈、ちょっと緑川のこと、助けてあげなよ。僕忙しいんだから」
「はぁ、仕方がないな……おいお前ら」
「なぁに、れいな?」

 禍々しいオーラを漂わせ、笑みを浮かべる女子一同。
 彼女らのほうからこんな思いが伝わってくる。まぁ、伝わるようにしているんだろうけど。

『玲奈ったらヒロトのことはなんでも聞くのね〜』
『感情に流されない女戦士って看板、下ろせばぁ〜?』
『大丈夫大丈夫、貴方達の恋路は邪魔しないから〜』

 うわ、なに考えてるんだこいつら。
 顔を真っ赤にする俺と玲奈。
 
「だからぁ、俺のこと助けろって!」

 悲痛な悲鳴をあげる緑川。
 あり、そもそもなんで突然帰ってきたんだ?

 *
 こまかいことは、あとまわし。
 *