二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 秋色の夕焼け空<イナズマイレブン> ( No.145 )
- 日時: 2010/09/19 18:01
- 名前: さくら (ID: sNU/fhM0)
「“ウルフレジェンド”!」
「“グレートバリアリーフ”」
吹雪君のシュートはキーパーのジーンによって防がれた。
「“爆熱ストーム”!!」
「“グレートバリアリーフ”」
続いて修也も爆熱ストームでゴールを狙うが、これもまた防がれてしまう。
でも此処で怯えてちゃ、世界には通用しない・・・!
そう思っていると、ビッグウェイブスは選手の交代をした。
『何で・・・?』
リュウジ君がドリブルで上がると先程入った選手が向かってくる。
「ボックスロック・ディフェンスは諦めたんでしょうか…?」
春奈ちゃんはそう言うけど、諦めたからってそんな無茶はしない。
きっとまだ何か秘策があるんだ。
「“グレイブストーン”」
『!』
やっぱりね…。
《ビッグウェイブス、ボックスロック・ディフェンスが通用しないとみるや、個人技でのディフェンスに切り替えてきた!》
「体力、スピード、テクニック。戦術の切り替えの速さ…全てが素晴らしいです」
「“カンガルーキック”」
新しく入ったミッドフィルダーはカンガルーキックという必殺技で木暮君を抜く。
「海だけじゃなかったの?!」
「どうやらリザーブとして陸で鍛えられた選手達が控えていたようですね」
『ふーん。面白いじゃん』
オーストラリアは海と陸地がとても豊かな国…。
必殺技を鍛えるには持ってこいの場所。
《互いに攻め手を欠き、試合は膠着状態だ!》
すると、鬼道は足を負傷して、虎丸君と変わった。
『虎丸君、すぐに私にパスを出してね!』
「はい!!!」
私は虎丸の前を走り、前へ前へと走る。
背中は虎丸が守ってくれた。
「サクラさん!!」
虎丸が私にパスをした。
よし、鬼道のカリ、ちゃーんと返してあげないとね。
《虎丸は、清野サクラにパス!!!これはどうなるのか!!!》
『鬼道のカリ、ちゃんと返してもらうよ?』
私はあっという間にDF全員をごぼう抜き。これはフィディオと特訓したからこんな事楽勝。
《サクラ!!あっという間にDFをごぼう抜きだぁ!!!そしてサクラはゴール前。どんなシュートを見せてくれるのか!!!》
『ふん。こんなチーム(リーフ君以外)ただのシュートでいいな』
「っ!?・・・なめるな!」
『別になめてないんですけどっ!!』
バシュッ—————。
「・・・・・!!」
『言ったでしょ、無駄って』
《ご、ゴォォォオオオル!!!!!サクラ、ノーマルシュートで点を取ったぁ!!!》
『女だからって甘く見ないでよね』
「何が・・・起こっているんだ・・・?」
「・・・スゲー!!!スゲーぞサクラ!!!よぉし皆!俺達も点を取るぞ!!!」
「「「オーッ!!!」」」
そして、流れに乗ったイナズマジャパンは、綱海の新必殺技で2点目。
「久遠監督!!!」
「俺達がオーストラリアと互角に戦えているのは監督の采配のおかげです。
あなたはチームをダメにするような監督じゃない。桜咲木中で何があったんですか?!」
しかし監督は鬼道君の問いに答えなかった。
すると響木さんが現れ、監督の過去を話した。
10年前、フットボールフロンティアの地区予選決勝に勝ち進んだ桜咲木中は試合前日に対戦校の選手と喧嘩をしてしまい、更に怪我までを負わせてしまった。
その事が公になれば勿論サッカー部は活動を止めざるをえない。それを避ける為に監督は自分が問題を起こした事にして決勝を棄権した。
「彼の素晴らしい指導力こそ、この代表チームには必要だと思ったからだ」
『やっぱり、そんな事が・・・。』
信じていて良かった、と胸を撫で下ろした。
試合は再開され、綱海君は再び点を奪おうと動くが、また新しく入った選手にマークされていて思うように動けていない。
『綱海・・・。』
「人のこと心配するより自分を心配しな」
私の目の前にはキャプテンのニース。
キャプテンだけあって、かなりしつこい。
『あんたじゃなくて、リーフ君だったらいいのになぁ、』
「はぁ・・・?」
『気抜いたら、命取り』
私はボールを若干後ろに蹴り、左足で高くボールを蹴り上げ、ニースを交わした。
「何!?」
『女だからって甘く見ないでよね』
綱海もぴったりとくっ付いていたマークを交わしたようだ。
そしてそのまま綱海はドリブルで前線まで上がる。
「打たせるな!」
ビッグウェイブスの4人に囲まれた綱海君はフリーの壁山君にパスを出す。
壁山君は他の誰かにパスをしようと辺りを見渡すが、ビッグウェイブスは全員でのマンツーマンディフェンスに切り替えていてパスを出せない。
「どうすればいいんす!?」
「自分で持ち込め!」
監督の言葉を聞いて壁山君は“守る事しか考えていないディフェンスなど必要ない”という言葉の意味が分かったようだ。
『がんばれぇぇぇええええ!!壁山ぁぁぁあああ』
私が思いっきり叫ぶと、リーフ君は驚いた顔をした。
そんな君も可愛いよリーフ君。
そして壁山君はドリブルで相手を跳ね除けながら上がり、虎丸君にパスをする。
《虎丸、ドリブルで持ち込む!》
「はぁーっ!」
修也にマークをしていたビッグウェイブスは虎丸君がシュート打つと気付き、ディフェンスに入る。
そう。
誰もがシュートを打つと思っていたんだ。
正直私も。
しかし虎丸君は打つフリをして修也へパスをする。
そして修也は新必殺技でシュートを決めた。
「爆熱スクリュー!」
《ゴール!!豪炎寺の新必殺技が炸裂!イナズマジャパン逆転!》
『すごーい!!豪炎寺!新必殺技!!!』
ここで試合終了の笛が鳴り、イナズマジャパンは無事に初戦突破。
ほっと胸を撫で下ろしていると、修也と虎丸君が話しているのが目に入った。
ま、それはワカチコだけど。
でも、私はある人物が目に入った。
双眼鏡を片手に(というか目に当てている)口角をあげながら笑っている。
『すっごく怪しそうだよ。ジュリア・・・。』
私の呟きは置いといて、その少女は言った。
「ビッグウェイブス。コピー完了」
と、言ってにやっと笑った。