二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 狼がペットの赤頭巾 <イナズマイレブン> リクエスト募集中  ( No.217 )
日時: 2010/10/15 20:08
名前: さくら (ID: sNU/fhM0)

《カタール代表デザートライオンの激しい当たり、そして運動量の前に体力の限界に達した基山と綱海。ここで無念の交代!》



二人はフィールドを後にし、ベンチへ。



ベンチでは秋ちゃん達が手当て(?)をしている。

二人の表情は、とても険しかった。



吹雪がウルフレジェンドを打ち、ナセルが止める。



ドサッ・・・


直後、吹雪も倒れてしまった。



『吹雪!!』



「そろそろ限界だな」


私の横にスッと現れてはビヨンは言う。


「この気温の中、よく頑張ったと認めてやろう」



『・・・・』



「最後に勝つのは極限まで鍛え上げられたフィジカルを持つ俺達だ!」



『———に、———』


「サクラ、何か言ったか」


『確かに、みんなの体力が限界に近い。』



「それがどうした」



私はゆっくりと立ち上がり、ビヨンに指差し、こういった。


『ホイッスルは、まだ鳴ってない!!!』


その言葉で、だいたいは言いたい事が分かったようだ。


「ふっ・・・。いくらサクラでも。手加減はしない・・・。返り討ちにしてやる」


『上等・・・』



吹雪君の代わりに投入されたのは虎丸君だった。

これまた不動の表情が険しい・・・。



《さぁ、ナセルのゴールキックから試合再開です!》



GKのナセルはボールを大きく蹴り、ザックにパス。


鬼道はザックからボールを取ろうとするが、ギリギリの所でザックはビヨンにパスを出した。


しかし、虎丸君はそれをインターセプトして攻め上がる。



「このままゴールですよ!」



『虎丸・・・!!』



「あっ…、」



突然虎丸の表情が変わった。

後ろを振り向き、バックパスをした。


「「!」」


『・・・虎丸・・・』



虎丸のバックパスは勿論渡るはずが無い。

すぐにデザートライオンにボールを取られる。


デザートライオンは、次々とパスを繋いで攻めあがってくる。・・・が、立向居のスライディングでなんとか阻止出来た。



「役に立たねぇ奴らだぜ。俺を使ってりゃあ、こんな事には・・・。」


《宇都宮の大胆なプレーにデザートライオンのディフェンス陣が崩れたぞ!》



虎丸は、またゴール前に来てはシュートを打たず、豪炎寺にパスを出した。


決定的なシュートチャンスを逃し、点が入らなかった。




『虎丸・・・やっぱり・・・』


私は虎丸の過去、事情、全部知っている。

虎丸に直接、相談を受けた。



《キーパー ナセル。豪炎寺の強烈なシュートをがっちり押さえた!イナズマジャパン、追加点ならず!》



「攻め上がれ、皆!」



ナセルはザックに向かってボールを蹴る。

その直後、虎丸がザックからボールを奪い、ボールをフィールドの外へ出した。


《おっと!!イナズマジャパン、清野を下げるようです》


「何でサクラを下げるんだ・・・?」



私は皆の横を通り過ぎ、監督の元へ向かった。


「清野、電話だ」

『私に、ですか?・・・誰からか、分かります?』

「あぁ。誰からかは、名前を名乗らなかった」

『はい』





私は監督と話した後、小走りで私のケータイの元へ向かった。

公衆電話から、電話が鳴っていた。


ピピピピピ———


『・・・もしもし、』


「・・・サクラ、か?」


『誰・・・?』


「裕也だ。・・・神藤裕也」


『お・・・兄ちゃん・・・?』


嘘だ。嘘。絶対嘘。に決まってる。

お兄ちゃんが、私と話してる訳が無い。


だって・・・、お兄ちゃんは、6年前に———————

                  —————

                  ——行方不明になったはずなのに。