二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 狼がペットの赤頭巾 <イナズマイレブン> リクエスト募集中  ( No.223 )
日時: 2010/10/16 17:49
名前: さくら (ID: sNU/fhM0)

「お姉ちゃん、お姉ちゃんも、イタリアに行くの?」


突然、前の席の女の子が聞く。

私は外からその女の子へ、視線を変え、にっこりと微笑んで答える。



『そうだよ。君も?』


「うん!!オルフェウスを見に行くんだ!!!」


女の子は瞳をキラキラと輝かせ、言う。

オルフェウス・・・。フィディオが居るチーム。

そんな事を考えていると、着陸のアナウンスがなる。


『ほら、シートベルト締めて』

「えへへ///」


少し身体の重心を女の子の方へ変え、シートベルトを締めてあげると女の子は照れたように笑った。


私が何でイタリアに向かっている事を知るには、少し時間を遡ることになる。



























『お・・・兄ちゃん・・・?』

「あ、覚えてた。一瞬忘れたかと・・・『嘘よ!!!』・・・サクラ、」

『嘘に決まってる!!!今お兄ちゃんが・・・神藤裕也が私と話してるわけ無いじゃない!!!』


そう。お兄ちゃんは、行方不明になった。

最初はお兄ちゃんを初めとする、残りの5人の創作活動をしていたけど、途中で事態が一変。

創作に出た警察の人たちは、皆・・・。生きて帰ってこなかった。


唯一ボロボロになって帰ってきた一人の警察官は、ただ「助けて・・・ば、化け物」と言い残し、息を引き取った。

これ以上捜査をすると、非常に危険。と言うことなので、事件は迷宮入り。


誰もこの事件に関わろうとはしなかった。


お兄ちゃん達は死んだ。他のチームの皆みたいに。そうお母さんは言っていた。


「裕也は死んだのよ。・・・御巡りさんも言ってたわ。そう思ったほうがいいって」


でも、お母さんも、心の底では、“生きているかもしれない”という希望があった。


そしてお母さんとお父さんも死んだ。

お兄ちゃんを探しに行って、行ったっきり、帰ってこなかった。帰ってきたのは、ぼろぼろになった遺体だけ。



そう。お兄ちゃんは死んだのだ。お父さんも、お母さんも・・・。


「サクラ、後から全て教える。」

『・・・』

「もし俺が、お前のお兄ちゃんじゃ無くても、損はしないだろ?」



『・・・場所は・・・?』


私は電話を一旦切り、監督にしばらく帰ってこないと連絡をして、スタジアムを後にした。

後ろでは、イナズマジャパンの勝利の歓声が聞こえた。



















お兄ちゃんは、イタリアで待っていると言った。

全て・・・。あの真実。

もし、あの電話の相手がお兄ちゃんだったら・・・。あの優しいお兄ちゃんだったら・・・。


行ってみて損は無い。なら、行くしかない・・・!!!