二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 狼がペットの赤頭巾 <イナズマイレブン> リクエスト募集中 ( No.229 )
- 日時: 2010/10/20 17:42
- 名前: さくら (ID: sNU/fhM0)
『た、しか。・・・此処のはずだけど・・・、』
私は地図を縦、横、斜めに傾け、傾け、傾ける。
前に居た時よりも随分風景が変わっていて、此処が何処だかも全然分からない。
小学3年生までイタリアで暮らしていた。イタリア出身のフィディオの幼馴染。勿論、アンヌさんも。
すると、誰かの声が聞こえてきた。
「モールス信号!!!折角のジェラート!何で落とすんだよ!!!」
「俺はモールス信号じゃねぇ!!!それにお前が押すから落ちたんだろっ!?!?」
声がする方を向くと、優しく、色の深い綺麗な茶髪を肩まで伸ばし、深いサファイアの瞳の綺麗な10代位の女の人と、透き通るような銀髪を少し伸ばした金色の瞳が輝くかっこ良い10代位の男の人が喧嘩をしていた。
周りからは、「綺麗な人達ねぇ」や「付き合っているのかしら」などの声。でも喧嘩をしている人達は全く聞こえていないらしく、物ともしなかった。
うん。でもあの人達何処かで・・・。
良く見ると、女の人はすっごくフィディオに似てる気が・・・。
2人は私に気付いたようで、手を振りながら近寄ってくる。え、何なの急にっ!!
「「サクラ!!!やっと来たのか!!!」」
さっきまで喧嘩していたのに見事にハモってる・・・;
いや、そんな事より!!!何で私の名前知ってるの!?
『あの、私、ですか・・・?』
「何言ってるんだよ!サクラに決まってるでしょ?」
『確かに私は“サクラ”ですが、誰かと勘違いしている・・・・・・・・・あっ!!!いや、まさか!!』
“迎えが来てるから”。あの電話の相手に言われた一言。
もし、あの人がお兄ちゃんなら、この目の前に居る人は・・・確かこの女の人、この男の人の事、“モールス信号”って・・・。
「ふざけるんじゃないわよ!!!このモールス信号!!!」
「誰がモールス信号だ!!!俺はちゃんとエドって名前があるっ!!!」
「でもエド・モールスだろうが。モールス信号で良いんだよ!!!ややこしい」
「黙れ!!!」
「やめろよ、アンヌ、エド・・・^^;」
「「止めるな裕也!!!」」
“モールス信号”はアンヌさんがエドさんに使っていたあだ名。
私の頭の中は、もうごちゃごちゃ。何が何だかわかんなくなっちゃった。
「サクラ、頭付いていけるか?大丈夫かよwww」
「来いよ。キャプテンが待ってるからさ」
『キャプテン・・・?』
私は女の人に手を引っ張られて走った。
この手のぬくもり・・・。
「サクラ、どうした?」
『うぅ・・・、アンヌさぁ〜ん・・・フィ、ディオが、・・・!!』
「フィディオッ!!サクラ泣かせるなって言ってるでしょ!!!」
そういってアンヌさんは私の手を握った。とても暖かい。“お姉ちゃん”って感じがした。
でも、アンヌさんも。エドさんも、勿論お兄ちゃんも。“此処”には居ないはずなのに。絶対居ないはずなのに。
私はどうしていいか、わからなくて、ただ走っているだけだった。