二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 狼がペットの赤頭巾*イナイレ* コメント下さい>< ( No.256 )
- 日時: 2011/02/18 20:49
- 名前: さくら (ID: kEC/cLVA)
季節企画 『』
カチッ・・・—————
午前0時過ぎ。
時計の針が少し動いただけで、ハロウィンイブからハロウィンに時は変わった。
そして、それから数十分たった今、事は起こった。
『Trick Or Treat!!』
「はぁ!?」
俺にとって久々の休日。
最近オルフェウスは練習ばかりで少しも休めていなかった。なので、昨日と今日が夢のように思える。
監督が、ミスターKから新監督に代わり、俺達も張り切っていた。だが、新監督はまだ若く、彼女もいるため昨日今日は用事があると誤魔化し、今頃彼女とウハウハ気分だろう。
そのために俺達に休暇を与えたのだ。
彼女とデートするために。本当、新監督には呆れる。そしてその新監督様は「折角のハロウィンだ。めいっぱい楽しんで来い!」だそうだ。
俺なりには久々の休暇。1日2日ぐらいゆっくりしたかったのでちょうど良かった。すんなり休暇を受け入れた。
それでだ。
今日は幼馴染のサクラが俺の家に泊まりに来ていた。普通なら断固拒否だが、俺の母も「サクラちゃんなら、」とあっさり許可した。いや、拒否するだろ普通。
そのサクラもサクラでハロウィンだの仮装だの言って思いっきり魔女の格好で本を読んでいる。
黒のワンピース(よりはかなり丈が短い)に特大リボン。それに無駄にひらひらふりふりしたフリルが襟、スカート、姫袖などいろいろな所に。それにスカート、姫袖の端に逆十字のマークが付いたタータンチェックの模様がちらちら。赤いニーハイソックスに黒のクロスリボンシューズ。頭にはとんがり帽子と手に放棄を持って出来上がり。
・・・という、いかにも魔女っ子なゴスロリ仮装だ。
そのサクラがハロウィン(つまり今日)になった直後に俺がベッドに寝っ転がりサッカー雑誌を読んでいたベッドに頭がひょっこり出てあの決め台詞。
『Trick Or Treat!!』
「はぁ!?」
『あら、聞こえなかったかしら。トリックオアトリート。』
「妙にジュリアぶるのやめようか、」
『は〜い』とウフフな笑いで俺のベッドにまたもや寝っ転がる。
『それ、面白い?』
「まぁね、」
不思議なものを見るようにサクラは俺が読んでいたサッカー雑誌を見た。それがサクラとの距離がわずか5㌢。異様に親近感すぎるのは俺を高ぶらせた。
『・・・?』
「/////」
異様に赤くなっている俺に気がついたのかサクラは『どうしたの?』と俺に聞き、それでも俺はますます赤くなるからサクラは俺との距離を見た後、『あっ・・・』と今更その距離に気付いたような顔をした。
だが、赤くなるどころかさっきの表情とは打って変わって、にたぁと不適な笑みを繰り出した。
・・・正直言って怖いよ黒魔女さん。
『あぁ、そうなんだぁ〜』
「言わないでくれ。」
『純情ボーイ。』
「言わないでくれ。」
『無駄に変体。残念なイケメン。馬鹿。アホ。スケベ。変人。サッカー馬鹿。ロリコン。ルシェちゃん大好k・・・うゎ!?』
サクラの手を思いっきり引っ張り、衝撃で口が開いていたサクラの口の中に、オレンジ色のキャンディーを放り込んだ。
口の中に、甘いオレンジ味が広がるが、未だに気がついていないサクラが不覚にも可愛い、と思ってしまった。
「お菓子くれなきゃ悪戯するぞっ(黒笑」
『ぁ・・・・・っ、』
やっと状況を理解したのか、満面の笑みを浮かべた可愛い黒魔女さんが目の前に居た。
『フィディオ、これ、オレンジ味だ・・・。』
「美味しい?」
『うん。すっごく。』
「そりゃ良かった。」
こんな良い雰囲気になれたのも、ハロウィンのお陰・・・なのか?
ハロウィンも、たまには悪くない。
***
終わり。
次でハロウィン企画はおしまいになります。