二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 狼がペットの赤頭巾*イナイレ*〜アニメ沿い連載中〜  ( No.394 )
日時: 2011/02/18 20:33
名前: さくら (ID: kEC/cLVA)

短編  フィディオ





『ねぇ・・・、フィディオ・・・、』

「・・・・・」


只今フィディオと喧嘩の真っ最中。


フィディオが一方的に無視無口でずっと避け続けてる。

話的に私が悪いらしい。


『ねぇ、・・・・・ごめん。フィディ、』


“フィディオ”。そう彼の名前を呼ぼうとした瞬間。


「あっ・・・!!!ボール、待ってぇ〜!」


公園でサッカーをしていたのか、小学一年生位の男の子が飛び出してきた。

でも其処は道路の真ん中。ボールを取った時にはもう、大型のトラックが男の子に迫っていた。



『あ、危ないっ・・・!!!』


勢い良くフィディオから離れ、男の子の元に走った。

ボールを持った男の子を抱き抱え、前を向けばもうトラックは目の前。あ、死ぬ。
















一瞬の出来事だった。本当なら私はあの時間違いなく死んでいた。



「サクラッ!!!!!—————」



誰かが私の名前を呼んだ。私は目をぎゅっ、と瞑り男の子を抱き抱えていた手の力を強める。


—————・・・!!!。


車から凄まじい音が鳴る。瞼越しでも分かる。窓ガラスは割れ、運転手は命からがら逃げた。

車は電信柱に正面からぶつかり、とても悲惨な状態だった。


「サクラ・・・、」

優しく名前を呼ばれ、瞼をそっと開けると目の前にはフィディオの整った綺麗な顔。



「何してるんだ!!!」


その顔は怒ってはいるのだが、とても真剣で、額からは冷や汗がツーーー、と流れ落ちていた。

あの時名前を呼んでくれたのはフィディオだった。


「死ぬかもしれかったんだ!!!何で飛び出したりするんだっ!」


とても真剣で私を一番に考えてくれる彼。


「君が死んだら俺はどうなるんだ!!!」


『・・・・・ごめんなさい。』


「君の身体は君だけの物じゃ無いんだ!!」


こんなに彼に怒鳴られたのは初めてだ。

でもこれでムカついたり嫌いになったりしない。寧ろ嬉しい。

なぜなら、これは私をどれだけ心配したか、好きなのか証なんだもの・・・。


『ごめんなさ、—————ッ』





“ごめんなさい。”と言う暇も無く、気がついたら私は、目の前の彼の腕の中に居た。そしてフィディオは私ごとその細く綺麗な腕でふわり、と抱きしめた。


「心配させないでくれ。・・・お願いだから」

***
事故ネタ。
勉強めんどいよぉぉぉおおおおお☆