二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 狼がペットの赤頭巾*イナイレ*〜アニメ沿い連載中〜 ( No.575 )
- 日時: 2010/12/25 12:11
- 名前: さくら (ID: sNU/fhM0)
「キャプテン!」
グラウンドへと足を踏み入れた円堂達に、次々と“おはよう”の声が掛かる。
「皆、気合入ってるな!!」
『だって、見せ付けられたでしょ?・・・あんなヘボいシュート。』
「でも凄かったじゃないか!!」
『どうって事無いよ。私に言わせれば。』
「そういえば、サクラ、エドガーに勝負吹っかけられてたな、」
『そうなんだよ。・・・もう、めんどい〜』
そういいながら円堂の背中をバシバシ叩くと、苦笑いしながら“サ、サクラ、痛い、痛い。”と言う。
・・・そんな風に言われると、もっとやりたくなるじゃん。
「みんな、朝ご飯よーっ!」
そんな事を言っていると、いつの間にか宿舎に戻っていた秋ちゃんの声。
「パワーを付けて、今日の試合勝ちに行きましょうっ!」
『春奈ちゃん、はよー。』
「おはようございます!!サクラ先輩!!」
すると栗松が“俺…、自分のサッカーが通用するかどうか分からないでヤンス”と小声で言った。
そんな皆に円堂と鬼道は、顔を見合わせ、こう続けた。
「大丈夫だ!みんなもっと自信を持て!」
「世界一を競う奴らの力は、確かに驚くほど強い。だが、俺たちもその中の一員なんだぞ」
二人の言葉に皆の表情が、安らいだ。
『そうよ!!あんな奴、コテンパンにやっつけちゃおうよ!!』
「ここまで来たんだ、思いっ切り世界の凄い奴らと競い合おうぜっ!」
「そうだぜ、ビビってたってしょうがねえ。当たって砕けろだ!」
「砕けたら負けちゃうでヤンスよ!」
栗松の突っ込みで、皆に笑いが巻き起こる。
「当たっても俺たちは砕けたりなんてしない!絶対ナイツオブクィーンに勝つんだ!!」
「「「おおっ!」」」
緊張もほぐれ、それから私たちはいよいよ決戦の地に向かった。
試合が行われる、“ウミヘビスタジアム”。
底へ向かう船に乗りながら、めったに見られない透き通るような藍い海に、色とりどりの魚が泳いでいる、綺麗な光景に皆目を奪われていた。
そして、久遠監督が今日のスターティングメンバーを発表した。
「フォワード、豪炎寺、宇都宮、清野」
「「『はい!』」」
「ミッドフィルダー、鬼道、風丸、基山」
「「「はい!」」」
「ディフェンダー、壁山、綱海、飛鷹、栗松」
「「「「はい!」」」」
「ゴールキーパー、円堂」
「はい!」
以上だ、と告げる久遠監督に、不動先輩は相変わらずの悪態をついた。
「またベンチかよ」
「リザーブは休みと言う意味ではない」
そう対応する久遠監督と不動先輩はアイコンタクトを取った。
「俺の分までしっかり頼むぜ」
「染岡さんっ…!」
「待つのには慣れてる、焦らねえさ」
「はいっス!」
「でも・・・。お前がメンバーなのは納得いかねぇ。」
染岡の気持ちも良く分かる。私も昔、サッカーは全然無理だったから。
女の私に、沢山練習したのに抜かれた気持ちは・・・。でも、それは染岡だけじゃない。私だって、生まれた時から最強だった訳じゃない。
それに・・・
『・・・“最強”っていうのも、良い事だけじゃないんだよ。』
とても染岡には聞こえないような声で言った。か細く、弱弱しい声で。
すると、見えてきたスタジアムを見て、私は気持ちを入れ替えた。
遂に世界。世界で戦う初めのゲーム。
「円堂さん!絶対にエクスカリバーを止めて下さい!」
「ああ!任せておけっ!」
『もう、あんなマナーのなってない野蛮人、“怒りの鉄槌”でボッコボコにしてあげてね!!』
「ああ!って、え?」
立向居くんに対してのノリにのったせいか私に頷く円堂先輩は、言った後に大笑いした。
・・・・・遂に、世界。